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永春
「永春〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
永春の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
また舌打ちをしながら、向う河岸へ渡ってゆくと、その頃の小梅の中の郷のあたりは、為
永春水の「梅暦」に描かれた世界と多く変らなかった。柾木の生垣を取りまわした人家が....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
総里見八犬伝」などでやや「人情」がかった読み物への入門をした。親戚の家にあった為
永春水の「春色梅暦春告鳥」という危険な書物の一部を、禁断の木の実のごとく人知れず....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
戸芸者の詮索ついでに、それが風俗を捜ぬべく、人情本と浮世絵とから拾って見ると、為
永春水の作に次の如く書いてある。 「……上田太織の鼠の棒縞、黒の小柳に紫の山繭縞....
「春桃」より 著者:宮本百合子
るしいほどに描き出している。 芥川龍之介が馬琴を描いた作品の中には、版元が、為
永春水と馬琴とを張り合わせようとする苦々しさが、馬琴の感想として語られている。淡....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たんでげすから、文句はござりますまい」 「ところで文書きの方は――こうと」 「為
永春水――柳亭種彦、あたりを筆頭と致しやして、木口勘兵衛、乞田碁監、徳利亀八、生....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
文章でげすから、日本人でさえ本文を読みこなしにくい。よって、あれを一応六代目の為
永春水に、やわらかく書き改めさせた上で、ペロにして毛唐に見せる、こういう段取りが....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
人が都風の粋な情緒に特にあこがれを寄せるのは理のあるところで、花廼屋は大そうな為
永春水ファン。深川木場は「梅ごよみ」の聖地、羽織芸者は花廼屋のマドンナのようなも....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
琴と相前後して居る作者には、山東京伝であれ、式亭三馬であれ、十返舎一九であれ、為
永春水であれ、直接に当時の実社会を描き写して居るものが沢山ありますが、馬琴におい....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
を成さざる憾みがあろう。そういう道学的小説観は今日ではもはや問題にならないが、為
永春水|輩でさえが貞操や家庭の団欒の教師を保護色とした時代に、馬琴ともあるものが....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
屋|路地《ろじ》等の後景《こうけい》を配合せしむる事|頗《すこぶ》る巧妙なり。為
永春水《ためながしゅんすい》の小説『梅暦《うめごよみ》』の続篇たる『辰巳《たつみ....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
を同じくし感情を倶《とも》にする作家でなければならない。 江戸時代にあって、為
永春水《ためながしゅんすい》その年五十を越えて『梅見の船』を脱稿し、柳亭種彦《り....
「雪の日」より 著者:永井荷風
のは、容易にわたくしの解説に左袒《さたん》するであろう。 わたくしはまた更に為
永春水《ためながしゅんすい》の小説『辰巳園《たつみのその》』に、丹次郎《たんじろ....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
ょう》と書いた町の名を読んだ。そして直様《すぐさま》、この頃《ごろ》に愛読した為
永春水《ためながしゅんすい》の『梅暦《うめごよみ》』を思出した。ああ、薄命なあの....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
うたしか芳譚《ほうたん》雑誌がありました。揃《そろ》っちゃ居りませんが。」 「為
永春江《ためながしゅんこう》の雑誌だろう。」 「へえ。初号がついて居りますから、....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
思うのである。 私の家に子供の折から見慣れて居た二つの草双紙絵本がある。一は為
永春水の『絵入教訓近道』で、一は式亭蔵書印のある『赤本智恵鑒』である。何時何処で....