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永眠
「永眠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
永眠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
開手術を行い、腹水中に浮游せる膜嚢数十個を取り出せしも、予後の衰弱のため、その日
永眠せり。斯くの如く、余は幹枝に天女の一生を描かせ、一年有余の陶酔を貪りたるもの....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
迷信の偶像を日蓮という過去の人間に発見した時、「未来の権利」たる青年の心は、彼の
永眠を待つまでもなく、早くすでに彼を離れ始めたのである。 この失敗は何を我々に....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
、五年東京に出ているところへ、三年前に老母がなくなり、この一月また八十五歳の父が
永眠した。姉夫婦はたしか六十に近いだろう、家のさびしくなったも無理はない。予はけ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の方に木藤氏から書送って来て、一つの証拠となるべきものがあります。何とぞ木藤氏が
永眠したのを幸いに庄司から頼まれ偽証するような事はせないで下さい」 六月十一日....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
イラク――メソポタミアとイランの一部を含む地方。 138 胸に両手を合わす――
永眠すること。 142 ジェイホンの流れ――オクサス河。アムダリアとも言う。....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
たしかに次のような文句があったと思った。 「……鼠谷仙四郎儀、療養|叶わず、遂に
永眠|仕候間、此段謹告候也。 追而来る××日×時、花山祭場に於て仏式を以て告別式....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るような言葉で、長いあいだキリスト教信者としての死を静かに念じていた彼女の平和な
永眠を述べた。 「ついに死の女神は、信仰ふかき心をもってあの世の夫に一身を捧げて....
「露の答」より 著者:坂口安吾
ことがない。折葉はこの物語の主要なる人物の一人です。 五郎兵衛は折葉十二の年に
永眠しました。晩年は読書、碁、酒、観劇などに日を送り、折葉にまさる愛人はなかった....
「長島の死」より 著者:坂口安吾
が一週間ほどつづいて、一月元旦、正しく言うと元旦をすぎること五分ののち昏睡のまま
永眠した。 この昏睡の間は体温三十六度であるが、覚めたときは四十一度になってい....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
重吉の死亡広告が出ているでしょう」 「ええ」 「元衆議院議員蜂谷重吉昨七月卅一日
永眠仕候。――とあるでしょう。あなたは蜂谷と言う代議士を知っていますか」 「いえ....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
信之氏看護のもとに危篤のまま四谷南寺町七番地の自宅に送られ、同日午後十一時ついに
永眠せられた。宿痾の動脈硬化症による心臓麻痺のためである。遺族、近親は遺骸を二階....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
、この様な地の底に殆んど生き埋め同様となって生きているその苦しさは、何も知らずに
永眠した人に比しどれほどの不幸かも分らぬ。 七十七 もしここで、なおこの上に生存....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
日でも長く生き延びさせるだけ学界の慶福であった。六十三という条、実はマダ還暦で、
永眠する数日前までも頭脳は明晰で、息の通う間は一行でも余計に書残したいというほど....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
かったは、二葉亭は日本の政治家にも実業家にも慊らなかったのだ。朝日新聞記者として
永眠して死後なお朝日新聞社の好意に浴しているが、「新聞記者はイヤだ、」といった事....
「西航日録」より 著者:井上円了
墓所へ案内せしむ。室内の東方に墓標あり、西方に碑銘あり。この下に学界の一大偉人の
永眠せるを思えば、粛然として、おのずから敬慕の情禁じ難きを覚ゆ。左に所感のままを....