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求めて
「求めて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
求めての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ったと云う事がわかった。そこで敵打の一行はすぐに伊予船《いよぶね》の便《びん》を
求めて、寛文《かんぶん》七年の夏の最中《もなか》、恙《つつが》なく松山の城下へは....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
のも少くはない。己は袈裟に何を求めたのか、童貞だった頃の己は、明らかに袈裟の体を
求めていた。もし多少の誇張を許すなら、己の袈裟に対する愛なるものも、実はこの欲望....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
いと思っている。
全国の都市の多くはことごとくその発達の規範を東京ないし大阪に
求めている。しかし東京ないし大阪のごとくになるということは、必ずしもこれらの都市....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
方には、いまだ誇るべき宝がないによって、汝都へ上り、世に稀なるところの宝が有らば
求めて参れ。」与六「へえ」大名「急げ」「へえ」「ええ」「へえ」「ええ」「へえさて....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
なかった。が、その母譲りの眼の中には、洋一が予期していなかった、とは云え無意識に
求めていたある表情が閃《ひらめ》いていた。洋一は兄の表情に愉快な当惑を感じながら....
「白」より 著者:芥川竜之介
へ姿を隠したため、夫人は五千|弗《ドル》の賞金を懸《か》け、犬の行方《ゆくえ》を
求めている。
国民新聞。日本アルプス横断中、一時|行方《ゆくえ》不明になった第....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
めぬものはない。が、それは外見だけである。実は誰も肚《はら》の底では少しも自由を
求めていない。その証拠には人命を奪うことに少しも躊躇《ちゅうちょ》しない無頼漢さ....
「夢」より 著者:芥川竜之介
しないと云う訣《わけ》ではなかった。わたしはいつも彼女の中に何か荒あらしい表現を
求めているものを感じていた。が、この何かを表現することはわたしの力量には及ばなか....
「或る女」より 著者:有島武郎
と、失望からわき出る快活さとで、鳥が木から木に果実を探るように、人から人に歓楽を
求めて歩いたが、どこからともなく不意に襲って来る不安は葉子を底知れぬ悒鬱《ゆうう....
「或る女」より 著者:有島武郎
いた。新聞記者などがどこをどうして探り出したか、始めのうちは押し強く葉子に面会を
求めて来たのを、女将《おかみ》が手ぎわよく追い払ったので、近づきこそはしなかった....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
は、夢などを見ておびえながら眼をさますのだった。暁方になるとお前たちの一人は乳を
求めて泣き出した。それにおこされると私の眼はもう朝まで閉じなかった。朝飯を食うと....
「星座」より 著者:有島武郎
の陰謀を密告するために、わざわざカンヌから彼を訪れたのだといって、昨日以来面会を
求めている年の若い婦人だと知れる。その婦人に対してある好奇心が動く。破格の面会を....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
的政治家があるとする。彼は自己の野心を満足せんが為めに、即ち彼の衷にあって表現を
求めている愛に、粗雑な、見当違いな満足を与えんが為めに、愛国とか、自由とか、国威....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
等の書きものに対して、何等の命令権もなかった。それは通例求めない時に現れ、強いて
求めても、必ずしも現象が起らないのである。私は出所不明の突然の衝動に駆られて、静....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
れは、自由な、何よりすぐれた、自分の心を思うままにすることが出来る、上品な刺戟を
求めている人にあっては、どんなにかふさわしい、どんなにか好い、どんなにか珍らしい....