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求刑
「求刑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
求刑の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あさましきもの」より 著者:太宰治
能面に似た秀麗な検事の顔は、薄笑いしていた。
男は、五年の懲役《ちょうえき》を
求刑されたよりも、みじめな思いをした。男の罪名は、結婚詐欺であった。不起訴という....
「労働者農民の国家とブルジョア地主の国家」より 著者:宮本百合子
産党の同志に死刑・無期懲役、その他合せて、一千二百年以上という人類史上、未曾有の
求刑を下しているのもブルジョア・地主的天皇制支配である。裁判所には皇室の紋章が勿....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
兵曹長他一名の手によって作製配布されたものであり、両名は出版法違反で罰金五十円を
求刑されたが、併し議会戦術としては、之によって充分に効果があがったわけで、やがて....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
当局は重刑を以て臨むというような意向を洩していたのである。 こうして軍部の論告
求刑の日は近づいて来た。凡ての疑問は解決されて了ったから、あとはただその日を待つ....
「同志たちは無罪なのです」より 著者:宮本百合子
の罪もなく全くの無罪であるという事をはっきり知らなければならないと思います。先頃
求刑のあった最終日に同志佐野学は立って堂々と階級的闘士の無罪であることを述べまし....
「「女の一生」と志賀暁子の場合」より 著者:宮本百合子
先だっての新聞は元新興キネマの女優であった志賀暁子が嬰児遺棄致死の事件で、公判に附せられ、検事は実刑二年を
求刑した記事で賑わいました。出廷する暁子として、写真も大きく載せられ、裁判所は此....
「年譜」より 著者:宮本百合子
九年) この年〔十二〕月に宮本の第一審判決があり、関係被告中ただ一人無期懲役を
求刑された。直ちに〔上告〕した。この判決決定の日、裁判長は法廷の慣習を破って判決....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
訴棄却 免訴 刑ノ免除、又ハ執行猶予ノ裁判アリタルトキハ手数料ノ三倍トス
三、
求刑ニ比シ軽キ刑ノ判決アリタルトキハ其程度ニ応ジ手数料ト同額以上倍額以下トス
....
「電車停留場」より 著者:豊島与志雄
越して、代りに一般道徳論を※入し、その峻烈な而も何処か辻褄の合わない論告を、重い
求刑の言葉で結んだ。可なり意外な空気が法廷に漂った。そして彼自身が最もその空気を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てる目と感動した心ばかりだった。だれもみな自分のなすべき職分を忘れていた。検事は
求刑するためにそこにいることを忘れ、裁判長は裁判を統《す》べるためにそこにいるこ....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
灰皿へ投げ込むと、椅子に深く身を埋めながら、さて、夫人の犯罪に対する検事の峻烈な
求刑や、そしてそれに対する困難な弁護の論法などをポツリポツリと考え始めた。 (一九三四年四月号)....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
そう重大視はされなかったろうと確信する。たぶん数ヶ月の懲役と云うところが、適当な
求刑であったろう。....
「母たち」より 著者:小林多喜二
被告中の紅一点!」というので、毎日新聞がお前の妹のことをデカ/\と書いた。検事の
求刑は山崎が三年、お前の妹が二年半、上田と大川は二年だった。それで、第一審の判決....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
おいても、被告人の陳情は従来と変りません。大した波瀾もなく公判は進み、やがて私の
求刑すべき時がまいりました。 私は、まず事件の経過を述べ、至ってその犯罪の明瞭....