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「求心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

求心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
特に二元の隔在的《かくざいてき》沈潜のために形成さるる内部空間は、排他的完結性と求心的緊密性とを具現していなければならぬ。「四畳半《よじょうはん》の小座しきの、....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
が自発的に愛した場合なら、私は必ず自分に奪っているのを知っているからだ。 この求心的な容赦なき愛の作用こそは、凡ての生物を互に結び付けさせた因子ではないか。野....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
衝突の際における速度が前記の特別な値よりも小さかったとするとその場合にはいわゆる求心系が生じる。すなわち、生じたガス球は次第に収縮して一つの恒星に成るのである。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
そこへ行くと、気吹の舎大人は狭い人かもしれないが、しかしその迫りに迫って行った追求心が彼らの時代の人の心に近い。そこが平田派の学問の世に誤解されやすいところで、....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
う想像を誘われる。また一方で前記の放射状|対流渦の立派に現われる場合は、いずれも求心的流動の場合であるから、放電陰像の場合もあるいは求心的な物質の流れがあるので....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
うな趣が、この歌をして平板から脱却せしめている。無論民謡風ではあるが、未だ語気が求心的である。 ○ 山河の水陰に生ふる山草の止まずも妹がお....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
ずつ進める。」 「井伏の小説は、決して攻めない。巻き込む。吸い込む。遠心力よりも求心力が強い。」 「井伏の小説は、泣かせない。読者が泣こうとすると、ふっと切る。....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
はこの傍線の意味が、判ってくるかもしれないからね」 と飽くことを知らない彼の探求心は、普通ならば誰しも看過すかと思われるような、傍線の上に神経をとどめた。 ....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
であって、其が読者の気分による調和を、目的としているのが普通である。短歌の方は、求心的であり、集注式の表現を採って居る。だから作物に出て来る拍子は、しなやかでい....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
てきたのだ。 「どうだろう、この海はこんなことではないのか。それは、渦はもとより求心性のものだが……きっとそれにつれ、うえの空気のうごきは遠心性を帯びるだろう。....
明暗」より 著者:岡本かの子
質もぐっと内向的で、その焦点に可成り鬱屈した熱情を潜めていた。そして智識慾も、探求心も相当激しいにも拘らず、今まで余り開拓されず、無教養のままに打ち捨てられてい....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
り、その一は伝導作用をつかさどる。その伝導をつかさどる神経にまた二種ありて、一は求心性神経と称して、神経の末端より中枢に伝うる作用を有するものをいい、一は遠心性....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
が今日取組みつつある、社会・国家ないし共同体の現実的諸問題を捨てて、おのれ自らの求心的領域に帰りうるならば、私は確かに今よりも心の静かさと、潤いと、慈しみとを保....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
ぐに楼の女から雲水僧の到着を聞かされたので、国太郎の全身は殆ど僧に対する一つの探求心になって、客たちを成るたけ早く部屋々々へ引き取らせ、自分は馴染の太夫の部屋に....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
がいったとおりに――「音楽技術についての十全な知識へ、普遍的精神の宏大な博識と探求心とを結合させた」ところにあるのであろう。この点に関してのロランの権威を認めて....