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汐
「汐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ないか。だから何も旧弊だからって、一概には莫迦《ばか》に出来ない。』その中に上げ
汐《しお》の川面《かわも》が、急に闇を加えたのに驚いて、ふとあたりを見まわすと、....
「貉」より 著者:芥川竜之介
れない。が、それは恐らく、こんな事から始まったのであろう。――
その頃、陸奥の
汐汲《しおく》みの娘が、同じ村の
汐焼きの男と恋をした。が、女には母親が一人ついて....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
まり出した。それは海そのものよりも僕等の足もとに打ち上げられた海艸《うみぐさ》や
汐木《しおぎ》の匂《におい》らしかった。僕はなぜかこの匂を鼻の外にも皮膚の上に感....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
近で、綺麗に分けてやって、前へ廻って覗き込むように瞳をためて顔を見た。 胸の血
汐の通うのが、波打って、風に戦いで見ゆるばかり、撓まぬ膚の未開紅、この意気なれば....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
するカプタインの推算／二重星の離心的軌道／その説明／恒星の温度／太陽系における潮
汐の作用／Ｇ・Ｈ・ダーウィンの研究／遊星の回転方向／ピッケリングの説／天体に関す....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
そ十四五人の同勢で、女交りに騒いだのが、今しがた按摩が影を見せた時分から、大河の
汐に引かれたらしく、ひとしきり人気勢が、遠くへ裾拡がりに茫と退いて、寂とした。た....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
た。 久しい後で、その頃｜薬研堀にいた友だちと二人で、木場から八幡様へ詣って、
汐入町を土手へ出て、永代へ引っ返したことがある。それも秋で、土手を通ったのは黄昏....
「女客」より 著者:泉鏡花
着いて静にいうのを、お民は激しく聞くのであろう、潔白なるその顔に、湧上るごとき血
汐の色。 「切迫詰って、いざ、と首の座に押直る時には、たとい場処が離れていても、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
なわち連獅子に骨身を絞ったというのに――上の姉のこのお妻はどうだろう。興｜酣なる
汐時、まのよろしからざる処へ、田舎の媽々の肩手拭で、引端折りの蕎麦きり色、草刈籠....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
土手を行ったり来たり、お伽堂の裏手になる。……なまじっか蘆がばらばらだから、直ぐ
汐入の土手が目先にちらついて、気は逸るが、亭主が危い。……古本｜漁りに留守の様子....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、足も裾も巴に入乱るるかのごとく、廊下を彼方へ、隔ってまた跫音、次第に跫音。この
汐に、そこら中の人声を浚えて退いて、果は遥な戸外二階の突外れの角あたりと覚しかっ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
んですが、」 「困りましたねえ。」 と、つくづく云う。 「何ね、時刻に因って、
汐の干ている時は、この別荘の前なんか、岩を飛んで渡られますがね、この節の月じゃど....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りといたしましょうか。物見遊山と申してもそれは至って単純なもので、普通はお花見、
汐干狩、神社仏閣詣で……そんな事は只今と大した相違もないでしょうが、ただ当時の男....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ぼれた祝場を廻り済して、行列は、これから川向の演芸館へ繰込むのの、いまちょうど退
汐時。人は一倍群ったが、向側が崖沿の石垣で、用水の流が急激に走るから、推されて蹈....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、屈曲縦横の往来を由井が浜まで見通しの、鎌倉半面は眼下にあり。 山の端に月の出
汐見るともなく、比企が谷の森の方を眺むれば、目も遥かなる畦道に、朦朧として婦人あ....