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汗みどろ
「汗みどろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汗みどろの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
郎は又抱き止めた。僧は熱い息をふいて身をもがいているところへ、四、五人の若い僧が
汗みどろになって追って来た。 「おお、ここにじゃ。どなたか知らぬが、かたじけのう....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しになっているのです。しかも、へやにはまゆげの跡の青いくにゃくにゃとした若い男が
汗みどろになって、せっせと荷造りを急いでいるさいちゅうでした。 「あっ、あの――....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
板の端から此方まで、風をきって疾走《しっそう》してくる。それも、ひどく真剣な顔が
汗みどろになっているのが、一種異様な美しさでした。
(視《み》よ、わが愛する者の....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
とも、行って見ることも出来なかった。 彼は工場を保護していた。 そのために、
汗みどろになって働いた。
汗みどろになって守備作業をつゞけた。 工場の附近は....
「生爪を剥ぐ」より 著者:葉山嘉樹
、と考えたにも拘らず、改めて又、――いい方法を、と、それが汗の中にでもあるように
汗みどろになって、全速力で考え初めた。だが、汗は出たが、いい考えが浮く筈がなかっ....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
幾台もの輜重車が躍ったり、跳ねあがったりして困難な行進をつづけていた。苦力どもの
汗みどろな癇癪でのべつにひっぱたかれる馬どもが、死にもの狂いの蹄で土煙を蹴立て、....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
ル位も深く掘れた。 或る日の夕方、一郎が、あいかわらず、人間地下戦車となって、
汗みどろに土を掘っていると、 「一郎さん、此頃《このごろ》しきりに土地を掘ってい....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
したのだ。――うん、あすこの線路下に跼っている一隊に尋ねてみよう」 警部さんは
汗みどろになっての指揮です。 「オーイ、どうして追駆けないのだ。元気を出せ、元気....
「麦畑」より 著者:宮本百合子
て起伏して居るような山々の下に、重い愁わしげに金色の耕地が続いて居る。その中で、
汗みどろに成った男や女が鎌を振い、火を燃して彼等の収穫にいそしんで居る。景色は美....
「恢復期」より 著者:堀辰雄
くなった。 どうも夜中になると熱が出てくるらしい。ちょっと眠ったかと思うとすぐ
汗みどろになって目がさめた。朝の体温が三十八度位で一日のうちの最高で、それから次....
「幼年時代」より 著者:堀辰雄
前の工場の中できいきいと今にも歯の浮きそうな位|軋《きし》っている機械の音だの、
汗みどろになって大きな荷を運んでいる人々だの、或《ある》事務所の入口近くにいつも....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
を試斬りになされたもので、尊がられるお館毎の御台所をほっつきめぐってごみだらけの
汗みどろになってござったのは名誉にうなされるお仁でござりましたのじゃ。 御身な....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
髪があって、さゝやきもとめ、うながしても、幸吉はもう徒らに蒸気のような息をふいて
汗みどろに、うごめくばかり、全然だらしのないビヤダルであった。 「主人は病身だっ....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
いので昼頃迄は寝ていて、午後一ぱい殆ど日没近くまであの堤の下の水際に三脚を立てて
汗みどろに写生です。夜は疲れてくたくたになります。家へ帰って画の道具を置くと手も....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
尻尾の方にずるずると持って行かれてしまった。それから黒んぼの鰌すくいだが、これも
汗みどろの大吐息で、顔から手から白斑になってしまった。ヤンキーでもアイヌでも歌わ....