汗をかく[語句情報] » 汗をかく

「汗をかく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

汗をかくの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
らの八重子は、もうどんなに暑い夜でも、きちんと寝巻を着て、ひとり蚊帳の中に寝た。汗をかく力もないくらい、衰弱していたのだ。 そして、死ぬ前の晩、八重子はか細い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りばかばかしいと思うものの、世間を騒がせることはよくねえことだ。わざわざおまえが汗をかくほどの仕事でもあるめえが、縄張り内に起ったのがお前の不祥だ。誰か若い奴ら....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
私はその間何べんも手拭《てぬぐい》でゴシ／＼顔中をこすった。原稿の仕事をやると、汗をかくのだ。書き終えた原稿を封筒に入れ、表を出鱈目《でたらめ》な女名前にして、....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
《ひやあせ》をにじみ出させたりするでしょうからねえ。いや、まだあります。おへそが汗をかくこともあるのですよ。 では、ジミー君。どうぞ……。 熱帯多島海《ねっ....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
理がなかった。あの病院へ行っていたころ、本当に悪かったのである。あれからこっち、汗をかくほどの活動を、それからそれへとした上に、ラジウムの隠しどころとして、あの....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
みに打ちかたねばならない。この最後の重荷を耐え忍ばねばならない。（額に玉のような汗をかく）何もかもじきにすむのだ。そのあとには湖水のような安息が、わしの魂を待っ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
城を心当に進み行く、と修羅場読みが一汗かかねばならぬ場合になった。が、実際は額に汗をかくどころでは無い、鶏肌立つくらい寒かったので、諸士軍卒も聊《いささ》か怯《....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
と、自動ピアノの鑽孔布のようなものを引張り出して示す。ルスとベラントは、どっと冷汗をかく。 次の部屋は模型室だ。そこへ一歩を踏み入れた両特使は、棚にぎっちりと....
「連環記」より 著者:幸田露伴
は清閑であり、何一ツ心に任せぬことも無く、好きな狩猟でもして、山野を馳駆して快い汗をかくか、天潤いて雨静かな日は明窓｜浄几香炉詩巻、吟詠翰墨の遊びをして性情を頤....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
自動車の縦隊運動。後からあとからつづく満員電車。石炭の山。荷物の丘。塵埃の塹壕。汗をかく起重機。耳を突く合図の呼子。骸骨のような貨物船。赤く錆びた鉄材の荒野。鳥....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
のは、毛髪を失った頭の熱いことといったら、これを一体誰が信じてくれるだろう。普通汗をかくというが、クリクリ坊主の頭からは汗が湧出し流れるのである。目へ流れこみ、....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
ゃない。いつか君が病気になったことがあった。君は気がつかなかったが、君は眠ると寝汗をかく、そのうちに、目のふちに薄い隈がかかってきたが、ねむるとハッキリするけれ....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
、冬まぢかなころだというのに、ツルリと手でなでて額の汗を払ったそうです。こんなに汗をかくとは思わないので、鼻をかむ汚い手拭しか持ち合せがなかったのでしょう。 「....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
その」の類です。ひとのことは嗤えない。僕なども、それをやる方ですが、自分ながら冷汗をかくことがあります。 「紋切型」は、一般に日本人の形式主義とも関係があります....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
誇る桜の下で、花見客がうかれる陽春を、私はうすぎたない冬服姿で、もらった十銭玉が汗をかくほどにぎりしめ、赤げっとを小わきに抱いて、とぼとぼ歩き出した。 阪大佐....