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汗を握る
「汗を握る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汗を握るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、鬼神も避け難き太刀先が現われて来るので、みている人すら屏息《へいそく》して手に
汗を握るという。おそらくこの人は、その当代随一の剣であったにとどまらず、古今を通....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
まず臣に死を賜わるべし。 と答え終って、神色自若。満廷の群臣色を喪《うしな》い
汗を握る暇もなく、皇帝震怒、万雷一時に激発した。 咄《とつ》、汝|腐儒《ふじゅ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
なき儕輩の忌む所となって、杵勝同窓会幹事の一人たる勝久の如きは、前途のために手に
汗を握ること数であったが、固より些の学問が技芸を妨げるはずはないので、次第に家元....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
なる、実に近来|稀に見る怪事件にして、これを解決したる狭山課長の苦心、亦実に手に
汗を握るものあり。今その詳細に就き本社が特に探り得たるところを記さん。初めに、 ....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
ら、生温るい汗がタラタラと迸しり流れるのをハッキリと意識していたものだが、「手に
汗を握る」という形容はアンナ状態を指したものかも知れん。 船の甲板は、むろん一....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
流して、いよいよ追い詰められる。 この間がなかなか長い、見物は静まり返って手に
汗を握る。 兵馬は追い詰め、米友は突き詰められて、とうとう前の大榎《おおえのき....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あろう。それに対して松浦は正眼に構える。 ここに、満堂の勇士が声を呑んで、手に
汗を握る。と見るや、歓之助の竹刀は電光の如く、松浦の頭上をめがけて打ち下ろされる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あたりで、パッと食い止めて元へ戻して納まりました。 「アッ」 それで見物は手に
汗を握る。取敢えずこれだけの前芸は、米友がエッと言えば、見物がアッというだけの景....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
天にも地にもただ一人、三造がこの挙動は、われわれ人間としては尋常事ではない。手に
汗を握る一大事であったが、山に取っては、蝗が飛ぶほどでもなかろう。 境は、今の....
「花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
重五郎の家に現れ、やくざ一家の者共を前に胸のすくような啖呵を切る情景に観客は手に
汗を握るクライマックスにせまっている。 「ソー見やぶられたらしかたがねエー、ただ....