汗を流す[語句情報] » 汗を流す

「汗を流す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

汗を流すの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
行人」より 著者:夏目漱石
ておく方針を取りました。私は静かに兄さんの枕元で一服しました。それから気持の悪い汗を流すために手拭《てぬぐい》を持って風呂場へ行きました。私が湯槽《ゆおけ》の縁....
新生」より 著者:島崎藤村
巴里へ来てからも時々彼女の兄を殺そうとするような夢を見て眼が覚《さ》めては冷たい汗を流すという岡、その岡の口唇《くちびる》から「旅は僕を他力宗の信者にしました」....
白蛇の死」より 著者:海野十三
ボイラーから排出される多量な温湯が庭の隅の風呂桶へ引かれて、そこで職工達の一日の汗を流すことになっている。その鉄砲風呂の中から、お由の膚理のこまやかな、何時もね....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
上である。爾の手足は松の膚の如く荒るゝ共、爾の筋骨は鋼鉄を欺く。烈日の下に滝なす汗を流す共、野の風はヨリ涼しく爾を吹く。爾は麦飯を食うも、夜毎に快眠を与えられる....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
は忙わしくラムネ瓶を大箱に詰め込み、こなたの店はビスケットの箱山のごとく荷造りに汗を流す若者あり。この間を縫うて馬上の将官が大本営の方に急ぎ行きしあとより、電信....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
はたいした「世界的」な研究になったり、ラジオでまで放送されて、当の学者は陰で冷や汗を流すのである。この新聞記事を読んだ人は相当な人でも、あたかも「椿の花の落ち方....
星女郎」より 著者:泉鏡花
れとても、蚊や蜉蝣を吸うような事ではござらん、式のごとき大物をせしめるで、垂々と汗を流す。濡色が蒼黄色に夕日に光る。 怪しさも、凄さもこれほどなら朝茶の子、こ....
太宰治情死考」より 著者:坂口安吾
。 泥酔して、何か怪しからぬことをやり、翌日目がさめて、ヤヤ、失敗、と赤面、冷汗を流すのは我々いつものことであるが、自殺という奴は、こればかりは、翌日目がさめ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
んお主おもい、で、お嬢さんがね、あつい、あついとおっしゃる度に、額からたらたら膏汗を流すんですよ。 ※と聞きましては、一室に大勢ですから、お嬢さんの寝台の下へ、....
不在地主」より 著者:小林多喜二
て行って、どう云えば会えるか分らない。何人にも、何人にも頼んで、その度に百姓は冷汗を流す。そして云うことは同じ。ホテルに行ってる! ホテルへ行けば商業会議所。....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
のあとで、「何となくうら恥かしきやうに心落ちゐず。白石先生の事など憶出せば背に冷汗を流す」と書いておる。二葉亭の自卑自屈を余儀なくされる窘窮煩悶の状がこの二、三....
快走」より 著者:岡本かの子
という感じだった。 道子は着物を着て小走りに表通りのお湯屋へ来た。湯につかって汗を流すとき、初めてまたもとの人間界に立ち戻った気がした。道子は自分独特の生き方....