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汚
「汚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
しているらしい。が、自分は、そういかない。自分にとっては、沙金が肌身《はだみ》を
汚《けが》す事は、同時に沙金が心を
汚す事だ。あるいは心を
汚すより、以上の事のよう....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
馬車を従えたまま、日の光も落ちない師走《しわす》の町を或火葬場へ走って行った。薄
汚い後の馬車に乗っているのは重吉や彼の従弟《いとこ》だった。彼の従弟の大学生は馬....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
ざきじゅんいちろう》の『悪魔』と云う小説を読んだがね、あれは恐らく世界中で一番|
汚《きたな》いことを書いた小説だろう。」
(何箇月かたった後《のち》、僕は何かの....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
時に、裏書きをされたではないか。
ああ、己はその呪《のろ》わしい約束のために、
汚《けが》れた上にも
汚れた心の上へ、今また人殺しの罪を加えるのだ。もし今夜に差迫....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
同時に又|蒼《あお》い湘江《しょうこう》の水もじりじり幅を縮めて行った。すると薄
汚い支那人が一人、提籃《ていらん》か何かをぶら下げたなり、突然僕の目の下からひら....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ざいました。またよしんばそうでないにしても、かような場合に立ち至って見れば、その
汚名も受けずには居《お》られますまい。まして、余人は猶更《なおさら》の事でござい....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
得ざりしを見よ。われ夫人の気高く清らかなるを愛《め》ずれば、愈《いよいよ》夫人を
汚《けが》さまく思い、反《かえ》ってまた、夫人を
汚さまく思えば、愈気高く清らかな....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
場には、もう一時の定刻|前《ぜん》に、大勢《おおぜい》の兵卒が集っていた。この薄
汚いカアキイ服に、銃剣を下げた兵卒の群《むれ》は、ほとんど看客《かんかく》と呼ぶ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
うだい》の旗を、天草《あまくさ》征伐の陣中に飜《ひるがえ》した。その名家に、万一
汚辱を蒙らせるような事があったならば、どうしよう。臣子の分として、九原《きゅうげ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
もだ》えをした。が、盗人はそれからそれへと、巧妙に話を進めている。一度でも肌身を
汚したとなれば、夫との仲も折り合うまい。そんな夫に連れ添っているより、自分の妻に....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
わん
ある冬の日の暮、保吉《やすきち》は薄
汚《うすぎたな》いレストランの二階に脂臭《あぶらくさ》い焼パンを齧《かじ》ってい....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ッショは社会主義にヒマシユを飲ませ、腹下しを起こさせるという話を聞き、たちまち薄
汚いベンチの上に立った僕自身の姿を思い出したりした。のみならずファッショの刑罰も....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ル・クロオスは白地に細い青の線を荒い格子に引いたものだった。しかしもう隅々には薄
汚いカンヴァスを露していた。僕は膠臭いココアを飲みながら、人げのないカッフェの中....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じたる
汚濁|臭穢の空気を吸い込み、馬車人力車の轟きさながらに地獄の如く、各種商店の飾り....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
めるという時に、黒マントを被った、柔道部、相撲部の連中が殴り込んで来た。中には、
汚い話だが、糞尿を投げるやつがある、あっちでも、こっちでも大乱闘が始まる。戸叶武....