汚物[語句情報] » 汚物

「汚物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

汚物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
みあげて来て、豹一はたまり切れずげッ! ばッ! とやった。石畳の上へ吐きだされた汚物からかすかに湯気があがるのを見ながら、豹一は今夜の仕事が未だ残っていることを....
河明り」より 著者:岡本かの子
映して下流の方へ移るともなく移って行く。軽く浮く芥屑は流れの足が速く、沈み勝ちな汚物を周るようにして追い抜いていく。荒く組んだ筏を操って行く馬来の子供。やはり都....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
蜘蛛の糸が、髪をのばした頭にからみついた。汚れた作業衣は、岩の肌にじく/\湿った汚物でなお汚れた。彼は、こんな狭い坑道を這いまわっている時、自分が、本当に、土鼠....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
いたものである。 しかし今日という今日は、犬や兎の屍体はすっかり取り出されて、汚物入れのなかに移されてしまった。ひとまず鞄のなかは、綺麗に洗い清められ、そして....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
奥方様、どうなりともお裁きくださいまし……」 言い終わるとフローラは、まるで、汚物を吐き尽くした後のようにガックリとなった。 しかし、紅琴には、露ほども動揺....
」より 著者:犬田卯
、雑支出というのが二七九――三〇一とか、その他伝染病予防費というのや、衛生諸費、汚物掃除費というのや、明らかに重複しているばかりかどんな風にでも小手先で流用し得....
四十年前」より 著者:内田魯庵
を通ずる全部が仮装会であった。結局失態百出よりは滑稽百出の喜劇に終った。が、糞泥汚物を押流す大汎濫は減水する時に必ず他日の養分になる泥沙を残留するようにこの馬鹿....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
した所謂河原者すなわち小屋者である。彼らは河原の如き空閑の地に佗住居して、市中の汚物掃除などを行い、それによって衣食の資を得るもので、文安の※嚢抄にはこの河原者....
審判」より 著者:カフカフランツ
すぼらしい界隈で、家々はもっと陰気くさく、小路は雪解けの上をゆっくりと漂っている汚物でいっぱいだった。画家の住む家では、大きな門の片方の扉だけがあいており、もう....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
兄弟であることを、どんな方法で理解させられるだろう。その経糸に十六世紀ロンドンの汚物、野蛮性を習性として持ち、その緯糸に「タンバアレン」の光彩や「ヴィナスとアド....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
忌の念の盛んな時代には、どこにも必要欠くべからざる村役人であった。死牛馬の始末、汚物の取片付け、兼ねては境域内外の警邏等の為には、必ず彼らを要したのである。そこ....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ては、世人の嫌がる職業をでもして、生きて行かねばなりませんから、遂に掃除によって汚物の扱いに慣れていたところから、皮細工人にもなり、穢多と言われる様になったと思....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
談によると、大和柳本の部落はかつて織田家がこの地に陣屋を設くるに際し、笞刑執行・汚物掃除・死牛馬取片付等の必要より、新たに三戸を他から移植せしめたのが初めであっ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
エタ仲間からキヨメなる掃除人足の小法師が出たのであるかは疑問であるが、ともかくも汚物掃除の賤しい職に従事したものが、またエタの一源流をなしている事は疑いを容れな....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
としても、何もわざわざ畳をたたいて隠れた埃を出す必要もなく、人の腹の中に包まれた汚物をまで想像して、それを不潔がる必要もないのであります。いわんや誠心誠意をもっ....