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江の島
「江の島〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
江の島の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
た。或風の寒い四月の午後、高等学校の生徒だった彼は彼等の一人、――或男爵の長男と
江の島の崖《がけ》の上に佇《たたず》んでいた。目の下はすぐに荒磯だった。彼等は「....
「たき火」より 著者:国木田独歩
あいにくに煙眼に入りて皆の顔は泣きたらんごとし。 沖《おき》ははや暗うなれり。
江の島の影も見わけがたくなりぬ。干潟《ひがた》を鳴きつれて飛ぶ千鳥の声のみ聞こえ....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
笑を致したか知れません。 書斎のテーブルの上に、法螺貝が置いてありました。私が
江の島に子供を連れて参りました時、大層大きいのを、おみやげに買って帰ったのでござ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
歩いた。その辺は遠く海中にまで岩が突き出て、その向うには鎌倉から片瀬までの海岸や
江の島などを控えて、葉山から三崎へ行く街道の中でも一番景色のいいところだった。そ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
平洋の方から一町ばかり前途に見渡す、街道|端の――直ぐ崖の下へ白浪が打寄せる――
江の島と富士とを、簾に透かして描いたような、ちょっとした葭簀張の茶店に休むと、媼....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
してくれました。好い日和の折などには私はよく二三の腰元どもに傅れて、長谷の大仏、
江の島の弁天などにお詣りしたものでございます。寄せてはかえす七|里ヶ|浜の浪打際....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
。」と、同役のある者は蔭でささやいた。 「いや、普通の魚の鱗とは違う。北条時政が
江の島の窟で弁財天から授かったという、かの三つ鱗のたぐいらしい。」と、勿体らしく....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
一 文政四年の四月は相州
江の島弁財天の開帳で、島は勿論、藤沢から片瀬にかよう路々もおびただしい繁昌を見せ....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
熱海の方角へ道を換えて、この湯治場に半月ほども隠れていました。それから引っ返して
江の島、鎌倉……。こう申すと、なんだか遊山旅のようでございますが、ほかに行く所も....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
、扇ヶ浜と申しまするで、それで、それ、此地を要島、これは見立で御座いますな。相州
江の島の弁財天と同体にして、弘法大師の作とあります。別当は真言宗にして、金生山龍....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
平楽は可いけれど、何、お前大島ッて流しものになる処じゃないの、大変な処へまあ、」
江の島をさえ知らない娘の驚いたのはさもありなん。 「で、お嬢さんはどうしておいで....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
ることが出来よう。彼はすでに寿永元年四月において、文覚上人を高雄より請して相模の
江の島に大弁才天を勧請し、三七日間の断食の荒行をまで修せしめて、秀衡調伏の祈願を....
「活人形」より 著者:泉鏡花
偵に早替りせる銀平は、亭主に向いて声低く、「実は、横須賀のさる海軍士官の令嬢が、
江の島へ参詣に出懸けたまま、今もって、帰って来ない。と口より出任せの嘘を吐けど、....
「海の少年」より 著者:小川未明
今年の夏休みに、正雄さんは、母さんや姉さんに連れられて、
江の島の別荘へ避暑にまいりました。正雄さんは海が珍しいので、毎日朝から晩まで、海....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
それに口取も猪口もお椀も、何から何まで、貝類ばかりなのも弱った。これでは夏の
江の島へ行ったようで、北の小樽とは思えない。 やっと食膳を片づけさして、またぽ....