江戸っ児[語句情報] » 江戸っ児

「江戸っ児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

江戸っ児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
倫敦消息」より 著者:夏目漱石
」である。我輩がこの語を聞いたときは非常にいやな可愛想な気持ちがした。元来我輩は江戸っ児だ。しかるに朱引内か朱引外か少々|曖昧《あいまい》な所で生れた精《せい》....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
惹いて、その妹のお玉さんの悲しい身の上をも考えさせられた。 お玉さんは親代々の江戸っ児で、阿父さんは立派な左官の棟梁株であったと聞いている。昔はどこに住んでい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
か。先年はあすこで弥次郎兵衛喜多八の両君が、首尾よく大失敗をやらかして、みんごと江戸っ児の面《かお》へ泥を塗ってしまったところでげす、そこでこのたびは道庵先生と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
米搗きの方はさっぱりいけません」 「そうだろう、君は関東もんだろう、へたをすると江戸っ児だ、頼まれても江戸からは米搗きは来ないはずだ」 「冷かしちゃいけません、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、宮方か、江戸かよくわからない。江戸風には相違ないが、さりとて、生《は》え抜きの江戸っ児でない証跡は幾つもある。遊び方はあんまりアクが抜けたとはいえないが、「村....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れを無料《ただ》見ようなどというのはいかにもさもしいことであります。 しかし、江戸っ児にも、そうさもしいものばかりはありませんでした。場代が高いと言ってしりご....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
風流なる故ではありません。文化文政の岡場所が衰えても、この時代の柳橋は、それほど江戸っ児の風流を無茶にするものではありませんでした。川開きの晩に根岸|鶯春亭《お....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちの珠《たま》を落したような気分がしないではないが、それでもこれからの道中、同じ江戸っ児、鉄火のようなお角さん親方と道連れの約束が出来たことによって、補われよう....
」より 著者:田中貢太郎
にでもお会いなすったかね、当世珍らしくもねえ話だ」 「馬鹿にするな、追剥ぐらいで江戸っ児が騒ぐかい。妖怪に会ったんだい、大変な顔をしてやがったのだ」 「へ、大変....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
僕の知れる江戸っ児中、文壇に縁あるものを尋ぬれば第一に後藤末雄君、第二に辻潤君、第三に久保....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
になったのですが――その利《き》かない気性と、強いものがあるところへ、お母さんは江戸っ児《こ》ですの。前川という有名な資産家の、太物《ふともの》問屋のお嫁御《よ....
魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
、人の味覚に勧められない。 奥多摩川に産する鮎は東日本随一の味を持っていると、江戸っ児は自慢したものである。ところが、東京に大規模な上水道が完成して以来、多摩....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
斎鍋とか言って売っているのがそれで、毒が少ないからこれならば命に別状はない。昔、江戸っ児が河豚はうまくねえ、と貶してきたのは、安全なものとしてこの味の劣る小斎を....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
の唄となり無心の子守女さえお手玉の相の手に口吟《くちずさ》むほどの人気であった。江戸っ児の中でも気の早いいなせな渡世の寄り合っている八丁堀の合点長屋の奥の一棟が....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
の虚栄心が折角、覚悟した何もかもを彼から吹き飛ばして、彼を芝居に出て来る非現実な江戸っ児気質のお坊っちゃんのようにしてしまうのだった。 ――ねえ、若旦那、すま....