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江戸弁
「江戸弁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
江戸弁の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
んだり喰ったりして、上機嫌で寝るという風である。 但し彼等の言葉だけはたしかに
江戸弁で、しかもそれが又恐ろしく早い。俗に江戸ッ子の早口と云うが、立ちん坊の江戸....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「どうぞお願いします」 私はそれを待ち構えていたのである。老人は例の明快な
江戸弁で、殊に今夜は流暢に語り出した。 この一件は慶応元年の二月から三月にかけ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
噺の揚屋のお茶番で、だだあを下手にやり損じると却ってお笑いぐさですから、やっぱり
江戸弁でまっすぐにお話し申します」 文政四年五月十日の朝、五ツ(午前八時)を少....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
か、長唄|鼓の望月一派か……といった塩梅だ。何にしてもコンナ片田舎で、洗練された
江戸弁を相手に、洗練された鋏の音を聞いているともうタマラなく胸が一パイになる。眼....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
がむかしの浅草の話などを始めた。老人は痩せぎすの中背で、小粋な風采といい、流暢な
江戸弁といい、紛れもない下町の人種である。その頃には、こういう老人がしばしば見受....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って、 「なんとまあ、足の早い旅人ではござらぬか」 「左様……挨拶は歯切れのいい
江戸弁でござったようだが、今ごろ一人旅は、飛脚でござろうかな」 「飛脚……それに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ましたけれど、いやいや、ところかわれば品もかわるのだ、かえって、先方は、こっちの
江戸弁――をさげすんで、嘲っているようでもある。今も子供が言った一語、「折助言葉....
「つぼみ」より 著者:宮本百合子
うに斯う云って二人は又若かった時のはなしをして居る。なめらかな京言葉とパキパキの
江戸弁が快くもつれてひびいて来る。御仙さんは御母さんのうしろで振の色をそろえたり....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に一肩入れるかも知れませんぜ」
つぶやくような低声《こごえ》だが、歯切れのいい
江戸弁をふるっている男……かれは、今し方、あの刀操術の見世物小屋で奇怪な剣技に観....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
た。 「おい、姐さん。どうしたのだ。」 「どうするものかね。」と、女はあざやかな
江戸弁で答えた。「こん畜生のおかげで、あたしは一生を棒に振ってしまったのだ。こい....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
がてこの言葉は「ハイカる」と云った工合に語尾の活用を起して動詞となって働き出し、
江戸弁に「ヘエカラ」と訛っても通用するようになり、「貧乏ハイカラ」「田舎ハイカラ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
――高時天狗舞 千歳座見物 五代目菊五郎――青木活版所――菊五郎の部屋――流暢な
江戸弁――観劇の不良学生 鳥熊の芝居 東京の小芝居――本郷の春木座――入場料六銭....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
あった。が、その日の書生は風采態度が一と癖あり気な上に、キビキビした歯切れのイイ
江戸弁で率直に言放すのがタダ者ならず見えたので、イツモは十日も二十日も捨置くのを....
「くせ」より 著者:吉川英治
いた。あの謹厳な渡辺崋山に、飲むと落涙する癖があり、尾崎紅葉はその反対に、飲むと
江戸弁で啖呵を切る。近くは若槻前民政総裁は、議会で困ると爪を噛む。 *....