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江戸表
「江戸表〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
江戸表の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
もいよいよ物の哀れを誘い出された。彼はある夜しみじみとお染に話した。 「将軍家が
江戸表へ御下向《ごげこう》のことは、今朝《こんちょう》支配|頭《がしら》から改め....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でござります。わちきが廓《くるわ》へはいりぞめ、そのおりちょうど清吉さんも商用で
江戸表に参られて遊里《さと》へ足をはいりぞめに、ふと馴《な》れそめたのが深間には....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
戸お公儀からの早駕籠でごぜえます」 「開門! 開門! 御開門を願いまあす!」 「
江戸表からの御用駕籠だッ、お早く! お早く! お早く! 開門を願います!」 「な....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
驚かされた。その以来、彼は参詣の都度に与市の家をたずねるようになった。そのうちに
江戸表から洩れて来る種々の情報によると、どうでも里見家に連坐の祟りなしでは済みそ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
まする模様でござりましたゆえ、ようやく今の先その動かぬ証拠を突きとめ、ひと飛びに
江戸表へ発足しようと致しましたところを、先日中より手前の身辺につきまとうておりま....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
山の御城主松平越後様の家来で、宜い役柄を勤めた人の子でありますが、浪人して図らず
江戸表へ出てまいりましたが、彼の權六とも馴染の事でございますゆえ、權六方へも再三....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
早や主人の年囘にも当る事ゆえ、一度江戸へ立帰らんと思い立ち、日数を経て、八月三日
江戸表へ着いたし、先ず谷中の三崎村なる新幡随院へ参り、主人の墓へ香花を手向け水を....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
後の高田で文武の道に心掛けまして、二十五の時江戸詰を仰付けられましたので、とんと
江戸表の様子を心得ませんで、江戸珍らしいから諸方を見物致して居りましたが、ちょう....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
た。 「はい、どこへでも、あなたまかせ」君江の返辞はハッキリしている。 「拙者、
江戸表へ帰ります」 「それでは江戸までお送りします」 「いささか執拗ではござらぬ....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
かして江戸へひッぱりだそうと考え、同志をつのって師匠の法神の方を訪れた。 「我々
江戸表に於ては多少は剣客の名を得た者でござるが、法神流にはことごとく恐れ入り申し....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
身分は?」「ご覧の通りの無職渡世で」「お差しつかえなくばお名前を。……われら事は
江戸表……」 「おっとおっとそいつあいけねえ」 造酒が姓名を宣ろうとするのを、....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
来下されました」 「逸見先生に御意得たい。この段お取次下されい」 「は、先生には
江戸表へ参り、未だご帰宅ござりませねば……」 「ははあ、いまだにお帰りない」 「....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
でなさればよいが」
「さようさ、たっしゃでおいでなさればよいが」
「兄上を慕って
江戸表などへ、おいでなさらなければよろしゅうございますが」
「わしもその事が心配....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
わらず、蔵元町人の平野屋ではなんのかんのと言って、一向に用達してくれない。年内に
江戸表へ送金せねば、家中一同年も越せぬというありさま故、満右衛門はほとほと困って....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
不図風を引いたのが原因で漸々病が重くなり、僅か二十日ばかり煩って死去りましたが、
江戸表には別に身寄り親類も有りませんが、下総の矢切村から金重の妹が出て参りました....