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汪
「汪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
。しかし、――しかしその乳房《ちぶさ》の下から、――張り切った母の乳房の下から、
汪然《おうぜん》と湧いて来る得意の情は、どうする事も出来なかったのである。
....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
ながめていると、病弱な樗牛の心の中には、永遠なるものに対する※※《しょうけい》が
汪然《おうぜん》としてわいてくる。日も動かない。砂も動かない。海は――目の前に開....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
」といった。 甚兵衛ははっと平伏したが、その心のうちにはなんとも知れぬ、感情が
汪洋《おうよう》として躍り狂った。彼はやっと心を静めて、 「惣八郎|奴《め》、何....
「島原心中」より 著者:菊池寛
楼主に奪われなければならぬかと思うと、彼女の薄命に対する同情の涙が、僕の目の中に
汪然と湧いて来るのを、どうすることもできなかったのです。 お主婦は、やがて指輪....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
でございましょうから、ここらで本文に取りかかります」 妖鬼を祭る 祁州の
汪氏の息子が番陽から池州へ行って、建徳県に宿ろうとした。その途中、親しい友をたず....
「惜別」より 著者:太宰治
き立っている。自分は、この戦争は大丈夫、日本が勝つと思う。このように国内が活気|
汪溢していて、負ける筈はない。それは自分の直感であるが、同時に、自分はこの戦争が....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
尻も大きく張って来るものだ。 その苺もやがて紅く熟して来る。 むかし、江蘇の
汪※にむかって、 「うまいですな。お故郷の江蘇にも、何かこんな果物のいいのがおあ....
「汪士秀」より 著者:田中貢太郎
汪士秀は盧州の人であった。豪傑で力が強く、石舂を持ちあげることができた。親子で蹴....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
たして坂口は死んだ。そして今また、横田※が死になんなんとしている。ただ意外なのは
汪の死だ。あの肥え太った丈夫そうな男がね。横田には折々見舞いの手紙をやってくれ。....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
及ばず。天兵一下、千里流血、君は頡利の俘に同じく、国は高麗の続とならむ。方今聖度
汪洋、爾が狂悖を恕す。急に宣しく過を悔い、歳事を勤修し、誅戮を取りて四|夷の笑と....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
イ日本の新聞へも名の出る吐月笙であることと、吐月笙は蒋介石の一党であったが、最近
汪兆銘派に帰順したらしいということだけは知って置く必要があるだろう。 五千の大....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
うか、きめが大へん美しい。嘉興の煙雨楼は湖中の島なので景色のいいところであった。
汪精衛閣下 上海へ帰って、十三日の朝八時急行で南京へ出発したが、その日の午後三....
「中支遊記」より 著者:上村松園
たのかも知れない。 南京にて 十三日。南京に着いて宿舎に憩う暇もなく
汪精衛主席に会う都合がついたからと公館に挨拶に出かけることになった。 此処も数....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
である。」 しかし余をして忌憚なく言わしめば居士の俳句の方面に於ける指導は実に
汪洋たる海のような広濶な感じのするものであったが写生文の方面に於ける指導はまだ種....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
して、大観的に吉野方を悲惨と規定する故に、吉野朝廷の歌に異常な生活の変質と生気の
汪溢を感じたくなるのである。もしそうだとすれば、それはいわば歴史理解の充分しみ透....