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「汪洋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

汪洋の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
」といった。 甚兵衛ははっと平伏したが、その心のうちにはなんとも知れぬ、感情が汪洋《おうよう》として躍り狂った。彼はやっと心を静めて、 「惣八郎|奴《め》、何....
狂乱」より 著者:近松秋江
川の堤に上がっていった。木津川も先きの大河原駅あたりから、ここまで下って来ると、汪洋とした趣を備えて、川幅が広くなっている。鷲峰山下の村に通う街道は、そこに架し....
虎狩」より 著者:中島敦
か漢江の本流の岸まで来ていた。岸に近い所は、もう一帯に薄い氷が張りつめ、中流の、汪洋《おうよう》と流れている部分にも、かなりな大きさの氷の塊がいくつか漂っていた....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
及ばず。天兵一下、千里流血、君は頡利の俘に同じく、国は高麗の続とならむ。方今聖度汪洋、爾が狂悖を恕す。急に宣しく過を悔い、歳事を勤修し、誅戮を取りて四|夷の笑と....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
》した。彼らのうちにおいてその二つは、あるいは矛盾し、あるいは一致しながら、常に汪洋《おうよう》たる潮の流れを支持していた。そして彼らの周囲には、古き世界の伝統....
芸術と数学及び科学」より 著者:三上義夫
術国と称せられ、芸術味のはなはだ豊かなわが国において、数学にせよ、諸科学にせよ、汪洋として旭日の天に冲するがごとく、進み進み、また進まんとする勢いあること、決し....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
である。」 しかし余をして忌憚なく言わしめば居士の俳句の方面に於ける指導は実に汪洋たる海のような広濶な感じのするものであったが写生文の方面に於ける指導はまだ種....