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「汲み上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

汲み上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
五本ありまして、井戸の所は草が茫々と生えていました。 私は中へ這入りまして水を汲み上げるのに邪魔な樹の切れ端などを取除き、玄蕃桶で水を汲み初めますと、暫くして....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
もあった。摩擦を終って、膚を入れ、手桶とバケツとをずンぶり流れに浸して満々と水を汲み上げると、ぐいと両手に提げて、最初一丁が程は一気に小走りに急いで行く。耐えか....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
曲「融」の中入後、老人の汐汲の一段で「東からげの潮衣――オ」という引節の中で汐を汲み上げる呼吸がどうしても出来なかった。そこで能静氏から小言を云われっ放しのまま....
石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
ぐ時使う金の道具があった。それを石油カンにさして細い針金を引っぱり石油をランプに汲み上げるときキューキュー一種の音を立てた。そっくりその通りではないが、それに似....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。けだし、石の無心の風車が、無限にクルクルと廻るのも、帰らぬ人の魂を無限の底から汲み上げる汲井輪《きゅうせいりん》の努力かも知れない。 上代の神人は申すも畏《....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を頭からザブリと被《かぶ》り、 「ああ、いい心持だ」 つづいて釣瓶を繰り卸して汲み上げると共に、水をまた頭からザブリと被って、 「なんといういい心持なことだ」....
まかないの棒」より 著者:黒島伝治
は肩がこったり、腕が痛んだりした。 耳がやはりじいんと鳴っていた。忙しく諸味を汲み上げるあいまあいまに、山で樹液のしたたる団栗を伐っていることが思い出された。....
発明小僧」より 著者:海野十三
筋肉が伸縮する。その運動を、別の器械に通じて発電させそれでモーターを動かし、水を汲み上げるのである。 本器を取付けるのに最も能率のよい人間は婦人である。早く云....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
み水を見つけることが、今よりもずっと下手でありました。井戸を掘って地面の底の水を汲み上げることは、永い間知らなかったのであります。それだからわざわざ川や池に出か....