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汲み取る
「汲み取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汲み取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
多量に含まれていた上に、すべての犯罪においても、人間的《ヒューマン》な動機を十分
汲み取ることができたので、どうしても罪人を憎みきれなかったのでしょう。この罪人の....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ので、彼はそれでもって初冬の太陽から水の滴りのような「孤寒」と「静思」とをそっと
汲み取るのである。 渡鳥は毎日のように寒空を横切って、思い思いの方角へ飛び往く....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
会話以上の社交的効果を保って同車して来たのだった。私達は、そこに満足な友情をさえ
汲み取ることに成功していた。 私は、マントンで、巴里風の洒落た服装と、竜涎香の....
「ヒューメーンということに就て」より 著者:豊島与志雄
によすぎる結果である。魂の籠らない平面的な写真のうちから、深い意義と力と暗示とを
汲み取るほどに想像が過敏なせいである。この場合、写真そのものは芸術品ではない。評....
「氷河」より 著者:黒島伝治
部屋も満員になった。 胸膜炎で、たき出した番茶のような水を、胸へ針を突っこんで
汲み取る患者も、トラホーム・パンヌスも、脚のない男も一つの病室にごた/\入りまじ....
「省察」より 著者:デカルトルネ
、を理解するということは、この理解を私は他のどこからでもなく私の本性そのものから
汲み取ると思われる。しかるにいま私が噪音を聞く、太陽を見る、熱を感じるということ....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
するということには多少の意味がある意である。 とはいえ私は説明はしまい。意味を
汲み取るのは読者の領分で私は記載するばかりである。 ――以下正雪の遺書――....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
かも写実の真義を極めている。写実はすべての天平仏の美の根源であって、その自然から
汲み取ることの感謝とよろこびを斯くも正しく表現している時代は少い。同じ三月堂の塑....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
をするので此方が恥かしくなるわ。でもフランス娘は敏感で、とてもこちらの気持を直ぐ
汲み取るわ。イボギンヌの家庭は愛想のよい御両親の外に女学校二年生の妹が一人あるの....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
の講談落語の速記の中からは演者の描写力や構成力や会話技巧のよしあしなど充分以上に
汲み取ることができる。そうして一般話術家は元より、私たち作家にとってもそこに学ぶ....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
瀧井さんの「無限抱擁」の一聯の作品を知ったのだ。私は「無限抱擁」から文学の養分を
汲み取ると同時に、なにより生きる自信を与えられたとも言い得よう。生来頑な私の、妻....
「詩とはなにか」より 著者:山之口貘
るために、こんな臭い仕事とおもわないのではなかったのであるが、鼻をなだめすかして
汲み取るより外には術もなかったのである。まもなく出来た詩が「鼻のある結論」という....