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汲む
「汲む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汲むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
いたしました。」
それから権助は二十年間、その医者の家に使われていました。水を
汲む。薪《まき》を割る。飯を炊《た》く。拭き掃除《そうじ》をする。おまけに医者が....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ンワンに言うようだわ、何だねえ、失礼な。」 とお源は柄杓で、がたりと手桶の底を
汲む。 「田舎ものめ、河野の邸へ鞍替しろ、朝飯に牛はあっても、鯛の目を食った犬は....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
山の軍に負けて、安房へ落ちて来たときに初めて上陸したところで、おなじ源氏の流れを
汲む里見の家では日ごろ尊崇している神社であるから、庄兵衛がそれに参詣して主家の安....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
るると同時に、大手を開いて)こうなりゃ凧絵だ、提灯屋だ。そりゃ、しゃくるぞ、水|
汲むぞ、べっかっこだ。 小児等の糸を引いて駈るがままに、ふらふらと舞台を飛廻り、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
瓶か徳利に汲んで事は足りる、と何となく思ってでもおりましたせいか、そのどうも水を
汲む音が、馴れた女中衆でありそうに思われました。 ト台所の方を、どうやら嫋娜と....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
なの性格の自然に出でた趣向であった。 ……ここに、信也氏のために、きつけの水を
汲むべく、屋根の雪の天水桶を志して、環海ビルジングを上りつつある、つぶし餡のお妻....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
日暮になれば総曲輪から一筋道を、順繰に帰って来るので、それから一時騒がしい。水を
汲む、胡瓜を刻む。俎板とんとん庖丁チョキチョキ、出放題な、生欠伸をして大歎息を発....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
依り、断じて経典学者の指示に依ってはならないことである。啓示全体に漲る所の精神を
汲むのはよいが、一字一句の未節に拘泥することは、間違の基である。従ってわれ等の教....
「水の女」より 著者:折口信夫
いても、遠い後代まで行われたらしい。「烏羽玉のわが黒髪は白川の、みつはくむの水を
汲む為事が、はっきり詠まれていたであろう。とにかく、老年変若を希う歌には「みつは....
「荘子」より 著者:岡本かの子
掲した。これに対して荀子は人間性悪説を執り法治論社の一派を形造った。墨子の流れを
汲む世界的愛他主義が流行るかと思えば一方楊朱の一派は個人主義的享楽主義を高唱した....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ぐにまいりまする。」 穴からくぐり出た釆女は、そこらの落葉を踏みしだいて、水を
汲む器らしいものを探しあるくと、そこには乾いた栗の毬が幾つもころげていた。その中....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
刻の婦は、勿論の事、もう居ない。が、まだいくらほどの時も経たぬと見えて、人の来て
汲むものも、菜を洗うものもなかったのである。 ほかほかとおなじ日向に、藤豆の花....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
所口(七尾)を目的に、高畑をさして行く途中です。 何でもその頃は、芭蕉の流れを
汲むものが、奥の細道を辿るのは、エルサレムの宮殿、近代の学者たちの洋行で、奥州め....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
。殊にダーウィン、スペンサー等の英国進化論を専ら研究したが、本来ヘーゲルの流れを
汲む露国の思想に養われていたから、到底これらの唯物論だけでは満足出来ないで、終に....
「読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
が、そういう絵は、よ程いゝ筆者を待たなければなりません。 しかし、尽せぬ滋味を
汲むことには、絵も文章もかわりがないのです。むしろ、文章の方が、より多く想像を要....