汽艇[語句情報] » 汽艇

「汽艇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

汽艇の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地図に出てくる男女」より 著者:吉行エイスケ
》の着物をつけて朝のミルクのなかで接吻をすると、海峡を船脚|迅《はや》く航行する汽艇、陳独秀が汕頭に行く姿を指さすのであった。 レムブルグが朝の情熱に癇高《か....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
いるグロリア号に近づいていった。 舷梯が下ろされていて、その下に二隻ばかりの小汽艇が横づけになっていた。ドレゴはその外側に艇をつけさせ、先着の小汽艇を越えて舷....
地中魔」より 著者:海野十三
ね」 「なに、先刻とはいつです」サッと課長の顔は青ざめた。 「先刻港外へ水上署の汽艇をおよこしになったじゃありませんか。そして取調べがあるからといって機関長だけ....
海底大陸」より 著者:海野十三
しらせであった。 甲板に出てみると、いつしか東の空がポーッと白みかかっていた。汽艇は波の間に浮いて、スミス警部を待っていた。 「やあ、しっかりやって来たまえ」....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
、学生、水、火夫等が立った。薄暗いので、ハッキリ分らなかったが、駆逐艦からは三艘汽艇が出た。それが横付けになった。一五、六人の水兵が一杯つまっていた。それが一度....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
すい小技巧ではあるがやはりちょっとおもしろい。 バスチアンとイドウとが氷塊を小汽艇へ積み込んでいるところへテレーズがコーヒーの茶わんを持ってくる。バスチアンが....
海底都市」より 著者:海野十三
勢を正し、眼を糸のように細くし、鼻の穴を真正面《ましょうめん》にこっちへ向けて小汽艇《しょうきてい》の汽笛のような声でいった。 とつぜん僕の頭の中に、電光のよ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
を距てた向こうに、旗艦須磨が黒煙をはきながら白い水泡をたててゆく。 ぽぽーと、汽艇の響が、右舷の下でする。 舷梯下に、汽艇がついたらしい。 大尉が見ている....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
が変ったらしく、工場のサイレンや、ポンポン蒸気の排気管や、可動橋の定時の信号や、汽艇の警笛《シッフル》や、さまざまな物音が、欄間《らんま》の回転窓の隙間から雑然....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ろしさがハッキリと分ったのだ。それは、『太平洋漏水孔』の海面下が一面の暗礁で、小汽艇のようなものでも忽ち覆えってしまう。つまり、縦に突っきろうにも渦流にまかせよ....
」より 著者:岡本かの子
うに見える。 黄|薔薇色に一|幅曳いている中流の水靄の中を、鐘ヶ淵へ石炭を運ぶ汽艇附の曳舟が鼓動の音を立てて行く。鴎の群が、むやみに上流へ押しあげられては、飛....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
う。御座湾の小埠頭で車を降りる。ちょっと、連絡ちがいが生じて、待っているはずの小汽艇が見えない。支局長が気をもんで島へ電話したり船長を探しにゆく。 その間を、....