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沃野
「沃野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沃野の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
マークにとりましては三千平方マイルの曠野は過大の廃物であります。これを化して良田
沃野となして、外に失いしところのものを内にありて償《つぐな》わんとするのがそれが....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
って了ったのだ、清風も有り清水も有り、萠え出る草の緑も咲き盛る花の紅も有る絶景の
沃野を通り盡して索々《さくさく》の沙漠に入ったのだ、本統に死んで了い度く成った、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
三
農は人生生活のアルファにしてオメガである。
ナイルの
沃野にふり上ぐる農の鍬は、夕日に晃めくであろう。
四
大なる....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
学の領土の開拓には適しない。丙は時として荊棘《けいきょく》の小道のかなたに広大な
沃野《よくや》を発見する見込みがあるが、そのかわり不幸にして底なしの泥沼《どろぬ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
色広場のあかるい光線を吸う。 そうすると、曲馬団の天幕のような思い思いの建築に
沃野の風が渡って、遠く聞える夏の進軍|喇叭に子供みたいに勇み立っているモスコウが....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
「北のヴェニス」は脚下にひろがって、バルチックの入江とマラレンの湖水。みどりの
沃野にかこまれた「古い近代都市」のところどころに名ある建物がそびえ、水面に小蒸汽....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
らぬき出された白光の原素が 無限に裂けてゆくちからのなかで 飢えた沙漠がなみうつ
沃野にかえられ くだかれた山裾を輝く運河が通い 人工の太陽のもと 極北の不毛の地....
「幻覚記」より 著者:豊島与志雄
一 筑後川右岸の、平坦な
沃野である。消く水を湛えた川べりに、高い堤防があって、真直に続いている。堤防の両....
「恋愛論」より 著者:坂口安吾
囲気的にしている。われわれの多様な言葉はこれをあやつるにきわめて自在豊饒な心情的
沃野を感じさせてたのもしい限りのようだが、実はわれわれはそのおかげで、わかったよ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ったりするが、洪水地帯へ流れこんで一米から三米の厚さに堆積した黄土は新たに豊饒な
沃野をつくり、豊かな作物を実らせてくれもするのである。もっとも、洪水がなければカ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
はござらんな。二十里東方に江戸という太田道灌築城の地がござる。入海に面し、広大な
沃野の中央に位しております。また
沃野の奥深くから流れてくる河川の便にも恵まれてお....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
が、これらは鍬を入れてホジクリ返しただけで、真に力作して人跡未踏の処女地を立派な
沃野長田たらしめたのは坪内君である。 有体にいうと、坪内君の最初の作『書生気質....
「西航日録」より 著者:井上円了
を一望するに、山影の眼光に触るるなく、平原百里に連なり、河水縦横に通じ、いわゆる
沃野千里なるもの、清国の富源また実にこの間にあり。しかして楊子江その脊髄となり、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
与の富が埋蔵されており、民間に誰が国防の計画を考えるのであろうか。茫々とひろがる
沃野には人の踏み跡もなく、到るところはただ青草のしげるのをみるのみである。) ....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
なくなれば文化は行き詰まりだと悲観していた人類は、あのピカドンで全く新しい未開の
沃野に飛びこんだのです。燃料、食糧、動力などの資源と、国土と人口との調節について....