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沈勇
「沈勇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沈勇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
も》の太きこそ恐ろしけれ」と称《たた》え、小泉孤松《こいずみこしょう》は「伝吉の
沈勇、極まれり矣《い》」と嘆じている。
身仕度《みじたく》を整えた伝吉は長脇差....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
よくよくの事でなければ出来ますまい。先頃|天野弥左衛門《あまのやざえもん》様が、
沈勇だと御賞美になったのも、至極道理な事でございます。」
「いや、それほど何も、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
為にこうして出向いた、真砂町の様子を聞き度さに、特に、似たもの夫婦の譬、信玄流の
沈勇の方ではないから、随分|飜然と露れ兼ねない。 いざ、露れた場合には……と主....
「蠅男」より 著者:海野十三
。蠅男の首はズブリと砂の中にもぐりこんだ。 素晴らしい転機であった。 帆村の
沈勇は、よく最後の好機をとらえることに成功し、辛うじて死線を越えた。 帆村の身....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ら実に兵の罪にあらず、――の罪だ」 「わが輩は勇気については毫も疑わん。望む所は
沈勇、
沈勇だ。無手法は困る」というはこの仲間にての年長なる甲板士官。 「無手法と....
「惜別」より 著者:太宰治
陣の鴨緑江の渡河戦に快勝し、つづいて遼陽戦に参加して大功を樹て、仙台の新聞には「
沈勇なる東北兵」などという見出しの特別読物が次々と連載せられ、森徳座という芝居小....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って――地団太を踏んでみたけれど、彼はどうしてもその人を憎む気になれなかった――
沈勇にして大人《たいじん》の風あるムク犬は今も無事で、それでも魂の抜けた主人を守....
「沈没男」より 著者:海野十三
がは、やはり祖国日本の汽船の有難さだ。船長以下船員たちが、避難作業のときの、あの
沈勇なる行動は、どんなに激賞しても、ほめすぎるということはあるまい。 余は、そ....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
います。あれほどの大手柄をたてた艦に、なんと惨い御褒美でしょう。 だがあくまで
沈勇な清川艦長は、全員を指揮して、早速修理にとりかかりました。もうこうなったら、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
場合ではない。 艦長水原少佐は厳然とかまえている。いざという時にびくともしない
沈勇ぶりは、さすがにたのもしい限りだ。 爆音は、もうそこへ近づいた。 ばしゃ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
も計りがたく、ここに於て忠勇なる国民諸君の、一大奮起をお願いする次第であります。
沈勇と忍耐と協力とにより、完全なる防護を尽くされんことを希望してやみません。おわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《めくら》であるとは知らなかった。 さてこそ、悪く取りすました返答ぶり、大胆と
沈勇に出でた結果でもなんでもなく、敵の威力を見定める眼を失っているからのこと。こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
じょう》、高坂弾正|逃弾正《にげだんじょう》」を以てあえて争わなかったところは、
沈勇にして謀《はかりごと》を好む人傑の面影を見ることもできます。武田信玄の股肱《....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
。惨殺した四人の枕元で冷静に証拠を消し、しかも完璧に消しおわせているほどの不敵な
沈勇をもちながら、なぜ二階の山口さんを訪問しなかったか、どうにも判断に苦しむので....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の際の名僧の畏れざる態度こそ一見消極的に見えますけれど、なかなか凡人に出来にくい
沈勇というものであります。
沈勇を持する人は非常に落ち付いて、しかも堂々たる威力を....