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「沓の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沓のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
大群衆も、前面から襲ってきた毒瓦斯に捲きこまれて、一溜もなく、斃れてしまった。雑沓の巷は、五分と経たぬ間に、無人郷に変ってしまった。その荒涼たる光景は、関東大震....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
のよ」などと呟きながら、どこまでも青年のあとに随き、なおも銀座東側の夜店の並ぶ雑沓の人混へ紛れ入って行くのを見て、「少し諄い」と思った。しかし「珍しい女だ」とも....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
涼をたずねる市中の人は、往来の少ない幽暗の地を選ばないで、却って燈火のあかるい雑沓の巷へ迷ってゆく。そこにはさまざまの露店が押し合って列んでいる。人もまた押し合....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を、幌骨の刳形の中に入れてある。そして、傷口から流れ出たドス黒い血は、小袴から鞠沓の中にまで滴り落ちていて、すでに体温は去り、硬直は下顎骨に始まっていて、優に死....
見えざる敵」より 著者:海野十三
、手をふり足を動かし、ゴリラのように喚いたが、それもやっぱり無駄に終った。 雑沓のなかの無人島に、彼はとりのこされているのだ。普通の無人島ならば、救いの船がと....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
夫人の屋根越しのエッフェル塔も装飾していることだろう。 新吉は此の装飾の下に雑沓の中でカテリイヌを探す自分のひと役を先ず頭に浮べたが次にリサがまたどういう工夫....
貞操問答」より 著者:菊池寛
れを中途まで見ている内に、散歩のプランが浮んだから、出てしまったのよ。」六区の雑沓の中へ出ると、すぐ美和子がいった。 「まだ散歩するの。」 「だって、これからす....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
「が、我君にも忠実のはずだ」 「しかしそれは私情だよ。大事に処せば私情などは、古沓のように捨てしまう」 「お互いそれには相違ないさ。……で、幸蔵主が我君を連れて....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
から聞こえる胡弓の音、「周の鼎、宋の硯」と叫びながら、偽物を売る野天の売り子、雑沓の巷を悠々と班長と部下とは歩いて行った。 すると突然班長が苦しそうな声で叫び....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
十名の制服警官をくり出して梅田自由市場の煙草販売業者の一斉取締りを断行、折柄の雑沓の中で樫棒、煉瓦が入れ交つての大乱闘が行はれ重軽傷者数名を出した。負傷者は直ち....
」より 著者:岡本かの子
血の処置に困って無軌道にあがく心臓は、殆ど京子を卒倒させるばかりにした。どんな雑沓の中でも平気で京子は歩くかと思えば、たまにたった一人に逢って斯んな大げさな驚き....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
兵が起る如き巧妙な作才が無い。軍記物語の作者としての馬琴は到底『三国志』の著者の沓の紐を解くの力もない。とはいうものの『八犬伝』の舞台をして規模雄大の感あらしめ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
て、垣の破目をするりと抜けると、出た処の狭い路は、飛々の草鞋のあと、まばらの馬の沓の形を、そのまま印して、乱れた亀甲形に白く乾いた。それにも、人の往来の疎なのが....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
言って大ぶお余を貰っていたが、 こうなればもう上がったりです。 踊っているうちに沓の底が抜けたから、 素足で歩いているのです。 鬼火等 わたし共は沼で生....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
一方を発見すれば、それによって事件の糸口がたぐり出せるかも知れない。 仲店の雑沓の中を、夫人は黙々として考えながら歩いた。私も無言で彼女に遅れまいと足早につい....