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沓石
「沓石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沓石の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無月物語」より 著者:久生十蘭
たわ》の暗闇で泰文とやりあい、腰刀をうちこまれたものだということだった。こうして
沓石《くついし》同然の下司の役に甘んじているのは、いつかはうらみをはらしてやろう....
「春心」より 著者:田中貢太郎
の声が耳元でした。 「さあ、どうぞ」 建物の前には黒い虎の蹲まっているような脱
沓石があった。広巳は室の中を見た。室の中には二十七八に見える面長の色のくっきり白....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
って、玄関まで歩いて来ると、母の妙秀尼は、もう先に出て二人の穿く新しい緒の草履を
沓石へ揃え、その後で、長屋門を閉めかけていた下男と、門の蔭でなにか小声で立ち話を....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
なく怒りの手に、そぼろ助広をつかんだ孫兵衛、いざるようにして縁側へ出たが、そこの
沓石へ片足をおろした途端に、ガッと、苦い水が口から走った。 「いけねえ! ……ど....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
りだもの。ああ、なつかしいなあ、この部屋も」 蟇のように、のそのそと近づいて、
沓石へ腰をすえ、かぶっている布を脱ると、縁に肱をつきこんで、ヘラヘラ笑った。あば....