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「沖合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沖合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ろ》の雨雲が縫い目なしにどんよりと重く空いっぱいにはだかって、本牧《ほんもく》の沖合いまで東京湾の海は物すごいような草色に、小さく波の立ち騒ぐ九月二十五日の午後....
恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
うこうぐち》をぴったりと閉め、そしていよいよ出港するとすぐ潜航にはいった。ずっと沖合《おきあい》へ出てから浮上した。 艇長《ていちょう》と見張番とを、二人で、....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は、なるべく沿岸航路に限るようにしていたではあろうが、しかし時には嵐のために船が沖合へ流されるようなこともあったであろう。そういうときに航海者等は、陸地に近づく....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ろう。それからこっちへ既に七日、いまだに彼女の消息はなかった。僕は毎日のように、沖合から人の現われるのを待ちつづけているのだった。 中天に昇った太陽が、舗道の....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
して、探偵小説に読みふけっていた紙洗大尉だった。「布哇から、ミッドウェーの東方|沖合を、北西に進んでいた筈だから今日になって、進路を真西に向けたとなると……」 ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ことに懸《かか》っていた。 その年の春、ひどい海底地震が相模湾《さがみわん》の沖合《おきあい》に起り、引続いて大海嘯《おおつなみ》が一帯の海岸を襲った。多数の....
海底都市」より 著者:海野十三
。 「このあたりもまだ危険らしい。もっと遠くへ行こう」 博士はメバル号をさらに沖合へはしらせた。 「その陰謀者は、なぜ姿を見せないのかね」 僕はたずねた。 ....
恐竜島」より 著者:海野十三
んだ。そこから枯草のるいをうんと集めてきて、山のように積みあげるんだ。もし今にも沖合《おきあい》に船影が見えたら、さっそくその枯草の山に火をつけて、救難信号《き....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、早道だ」 「お待ち。命令だ、撃ってはならない。それよりも、早く赤外線標識灯を、沖合へ!」 アンは、上官のような厳かな態度で叫んだ。 「私は、皆さんの邪魔をし....
火薬船」より 著者:海野十三
てきたんだ。どうもへんだねえ」 「ふん、何をいい出すか……」 そこでランチは、沖合に信号灯の見えている平靖号さして、波をけ立てて進んでいった。 血染の手....
怪塔王」より 著者:海野十三
なると陸戦隊がボートにのって、浜べにつきました。そしてただちに警戒につきました。沖合には、坐礁した大戦艦淡路が傾いており、そのまわりには大小いろいろな軍艦がぐる....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
はるか、沖合へでてみますと、海の水は、およそうつくしいやぐるまぎくの花びらのように青くて....
取舵」より 著者:泉鏡花
吹下す風は海原を揉立つれば、船は一支も支えず矢を射るばかりに突進して、無二無三に沖合へ流されたり。 舳櫓を押せる船子は慌てず、躁がず、舞上げ、舞下る浪の呼吸を....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
中に交ったのが次第に洲崎のこの辺土手は一面の薄原、穂の中から二十日近くの月を遠く沖合の空に眺めて、潮が高いから、人家の座敷下の手すりとすれずれの処をゆらりと漕い....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ために、港を出る汽船に故障が出来た。――(前刻友だちと浜へ出て見た、そういえば、沖合一里ばかりの処に、黒い波に泡沫を立てて、鮫が腹を赤く出していた、小さな汽船が....