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沙
「沙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
るぞ。」と、噛みつくように喚《わめ》きました。もしこれが私でございましたら、刃傷
沙汰《にんじょうざた》にも及んだでございましょうが、甥はただ、道ばたの牛の糞《ま....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
うみん》の苦痛に比《くら》べれば、六十何銭かを歎ずるのは勿論|贅沢《ぜいたく》の
沙汰《さた》であろう。けれども苦痛そのものは窮民も彼も同じことである。いや、むし....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
アニマ(霊魂)の鏡」の歌――そう云う思い出はいつのまにか、この紅毛《こうもう》の
沙門《しゃもん》の心へ、懐郷《かいきょう》の悲しみを運んで来た。彼はその悲しみを....
「河童」より 著者:芥川竜之介
た空にやはり高い塔や円屋根《まるやね》を無数の触手のように伸ばしています。なにか
沙漠《さばく》の空に見える蜃気楼《しんきろう》の無気味さを漂わせたまま。……
....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
*
大正十年五月十六日の午後四時頃、僕の乗っていた※江丸《げんこうまる》は長
沙《ちょうさ》の桟橋へ横着けになった。
僕はその何分か前に甲板の欄干《らんかん....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
なり変る」尊いさがらめんとを信じている。おぎんの心は両親のように、熱風に吹かれた
沙漠《さばく》ではない。素朴《そぼく》な野薔薇《のばら》の花を交《まじ》えた、実....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
だ片のつかないものがあるとすれば、それは一党四十七人に対する、公儀《こうぎ》の御
沙汰《ごさた》だけである。が、その御
沙汰があるのも、いずれ遠い事ではないのに違い....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
《ばば》へ赴《おもむ》き、茶坊主|大場重玄《おおばじゅうげん》を把らせて見よと御
沙汰《ごさた》あり。辰《たつ》の刻《こく》頃より馬場へ出御《しゅつぎょ》、大場重....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
《かゆ》ばかり啜《すす》っていさえすれば、得脱《とくだつ》するように考えるのは、
沙門にあり勝ちの不量見《ふりょうけん》じゃ。世尊《せそん》さえ成道《じょうどう》....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
んちょう》の画《え》の神手《しんしゅ》である。※南田はこう言いながら、かつて見た
沙磧図《させきず》や富春巻《ふうしゅんかん》が、髣髴《ほうふつ》と眼底に浮ぶよう....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
るところだった。「その時|蜑崎照文《あまざきてるぶみ》は懐《ふとこ》ろより用意の
沙金《さきん》を五包《いつつつ》みとり出《いだ》しつ。先ず三包《みつつ》みを扇に....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
て僕に聞かせたからである。 しかし僕は一二年の後、いつか又「ホトトギス」に御無
沙汰をし出した。それでも蛇笏には注意していた。或時句作をする青年に会ったら、その....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れるからだ。この人は投身を企つる者ではござらぬ」巡査の証言にかの人も車夫も手持不
沙汰なれば予は厚くその注意を謝し、今は我輩も帰るべしと巡査にも一揖して月と水とに....
「寡婦」より 著者:秋田滋
の熱でもえ、それがこの人たちを駆って、とんでもない熱狂的なことをさせたり、狂気の
沙汰とも云うべき献身的なことをやらせたり、果ては犯罪をさえ犯させるのでした。この....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かわらず頭を高く上げているのだった。 公然と戦場で彼の敵と相対峙するのは正気の
沙汰ではなかった。なにしろ敵は恋路を邪魔されて引きさがるような男でないことは、あ....