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沙汰
「沙汰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沙汰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
もしかたはあるのだけれど、あれが不承知なのだから、困るわね。おかげで、仲間の者へ
沙汰《さた》をするのも、わたし一人という始末さ。真木島《まきのしま》の十郎、関山....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
あらかじ》め仇打ちの願書《がんしょ》を奉ることを忘れていたから、褒美《ほうび》の
沙汰《さた》だけはなかったようである。その後《ご》の伝吉を語ることは生憎《あいに....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
るぞ。」と、噛みつくように喚《わめ》きました。もしこれが私でございましたら、刃傷
沙汰《にんじょうざた》にも及んだでございましょうが、甥はただ、道ばたの牛の糞《ま....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
うみん》の苦痛に比《くら》べれば、六十何銭かを歎ずるのは勿論|贅沢《ぜいたく》の
沙汰《さた》であろう。けれども苦痛そのものは窮民も彼も同じことである。いや、むし....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
だ片のつかないものがあるとすれば、それは一党四十七人に対する、公儀《こうぎ》の御
沙汰《ごさた》だけである。が、その御
沙汰があるのも、いずれ遠い事ではないのに違い....
「老年」より 著者:芥川竜之介
ぼえて、二十五の前厄《まえやく》には、金瓶大黒《きんぺいだいこく》の若太夫と心中
沙汰になった事もあると云うが、それから間もなく親ゆずりの玄米《くろごめ》問屋の身....
「路上」より 著者:芥川竜之介
こかから妾腹《しょうふく》の子と名乗る女が出て来て、一時は面倒な訴訟《そしょう》
沙汰にさえなった事があると云う事――そう云ういろいろな消息に通じている俊助は、今....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
《ばば》へ赴《おもむ》き、茶坊主|大場重玄《おおばじゅうげん》を把らせて見よと御
沙汰《ごさた》あり。辰《たつ》の刻《こく》頃より馬場へ出御《しゅつぎょ》、大場重....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
名、座席同列の旗本仲間へ、どんな無礼を働くか知れたものではない。万一それから刃傷
沙汰《にんじょうざた》にでもなった日には、板倉家七千石は、そのまま「お取りつぶし....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ていたのですが、どうした訣《わけ》か去年の暮に叔母の病気を見舞いに行ったぎり、音
沙汰もなくなってしまったのです。驚いたは新蔵ばかりでなく、このお敏に目をかけてい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て下方を向いた切り、顔の色なども何所やら暗いように見えました。私はちょっと手持無
沙汰に感じました。 すると案内のお爺さんが代って簡単に挨拶してくれました。――....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
て僕に聞かせたからである。 しかし僕は一二年の後、いつか又「ホトトギス」に御無
沙汰をし出した。それでも蛇笏には注意していた。或時句作をする青年に会ったら、その....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れるからだ。この人は投身を企つる者ではござらぬ」巡査の証言にかの人も車夫も手持不
沙汰なれば予は厚くその注意を謝し、今は我輩も帰るべしと巡査にも一揖して月と水とに....
「寡婦」より 著者:秋田滋
の熱でもえ、それがこの人たちを駆って、とんでもない熱狂的なことをさせたり、狂気の
沙汰とも云うべき献身的なことをやらせたり、果ては犯罪をさえ犯させるのでした。この....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かわらず頭を高く上げているのだった。 公然と戦場で彼の敵と相対峙するのは正気の
沙汰ではなかった。なにしろ敵は恋路を邪魔されて引きさがるような男でないことは、あ....