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沙漠
「沙漠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沙漠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
た空にやはり高い塔や円屋根《まるやね》を無数の触手のように伸ばしています。なにか
沙漠《さばく》の空に見える蜃気楼《しんきろう》の無気味さを漂わせたまま。……
....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
なり変る」尊いさがらめんとを信じている。おぎんの心は両親のように、熱風に吹かれた
沙漠《さばく》ではない。素朴《そぼく》な野薔薇《のばら》の花を交《まじ》えた、実....
「少年」より 著者:芥川竜之介
《しるし》であろう? 保吉は幻燈《げんとう》の中に映《うつ》る蒙古《もうこ》の大
沙漠《だいさばく》を思い出した。二すじの線はその大
沙漠にもやはり細ぼそとつづいて....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
曠野《あれの》と湿潤《うるおい》なき地とは楽しみ、
沙漠《さばく》は歓《よろこ》びて番紅《さふらん》のごとくに咲《はなさ》かん、
盛....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
や象牙や猿や孔雀を運んで来た。が、ソロモンの使者の駱駝はエルサレムを囲んだ丘陵や
沙漠を一度もシバの国へ向ったことはなかった。 ソロモンはきょうも宮殿の奥にたっ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のが暫くするといつの間にか影法師に過ぎぬのを発見するのは苦い味だ。私は自分の心を
沙漠の砂の中に眼だけを埋めて、猟人から己れの姿を隠し終せたと信ずる駝鳥のようにも....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
なにか手を尽して探したことでしょう。私自身も探検隊を組織して印度の国境からゴビの
沙漠へかけて探しにゆきました。結果は何等得るところなしでした。全く行方がわからな....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ょうか。」 「どうですか。ええ、何んですって――夢に家門に入って沙渚に上る。魂が
沙漠をさまよって歩行くようね、天河落処長洲路、あわれじゃありませんか。 それを....
「火星探険」より 著者:海野十三
りついて、外を見ている。 「……あと一万三千メートル。艇はすこし西へ流れた。……
沙漠だ。広い
沙漠だ。湖が見える。大きな輪がいくつも見える。何だかわからない……」....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
と教授は、ジャンガラ星の上をどんどんまわって、やく十キロあまりとんだ。 赤土の
沙漠みたいなところをとびきった。つぎはうすい緑色のまるい大きな葉が地上にはってい....
「怪塔王」より 著者:海野十三
い泥が、ふわりと平に続いています。さすがに海藻も生えていません。まるで眠っている
沙漠とおなじことであります。 その軟泥の寝床のうえに、怪塔は横たおしになったま....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に取ってはそのまばゆさも、美しさも、洗練された人生の音楽も、結局荒野の風の谺か、
沙漠の流砂の響きとしか聞こえなかった。戦車は走り、永劫の都の建設者や協力者の群れ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
したたる木立と、鏡のような水に枝が影をうつしている静かな入江をほめたたえよう。『
沙漠の泉の木』が茂って、そこにうつくしくかがやくきょうだいの鳥たちのよろこびをほ....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
てから余り久しいことでもなかった。彼はわたしに苦痛を訴え 「淋しいな、淋しいな、
沙漠の上にある淋しさにも似て」 これは全く真実の感じだ。しかしわたしは未だかつ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
々電燈の光を受け、一目|眇として、人少なに、三組の客も、三人のボオイも、正にこれ
沙漠の中なる月の樹蔭に憩える風情。 この間に、愛吉がお夏の来歴を説く一場の物語....