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沙羅
「沙羅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沙羅の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
しないでしょうか? 私《わたし》は親鸞《しんらん》や日蓮《にちれん》と一しょに、
沙羅双樹《さらそうじゅ》の花の陰も歩いています。彼等が随喜渇仰《ずいきかつごう》....
「オツベルと象」より 著者:宮沢賢治
子が、そうして山に着いたのは、ちょうどひるめしごろだった。このとき山の象どもは、
沙羅樹《さらじゅ》の下のくらがりで、碁《ご》などをやっていたのだが、額をあつめて....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
朝、しかも軽いのしか降らない。但先月の嵐が累をなしたのか、庭園の百日紅、桜、梅、
沙羅双樹、桃、李、白樺、欅、厚朴、木蓮の類の落葉樹は、大抵葉を振うて裸になり、柿....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
やく、「改造八月号相川良之介氏の絶筆『西方の人』」という大きい広告が出ていた。「
沙羅の花」「支那游記」などが同じ社から広告されていた。 相川良之介について感想....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えてもらいました。 「祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》の鐘の声、諸行無常の響あり、
沙羅双樹《さらそうじゅ》の花の色、盛者必衰《しょうじゃひっすい》の理《ことわり》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
拠で、都にあって祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》の鐘の声を聞くよりは、ここに閑居して
沙羅双樹《さらそうじゅ》の花の色の衰えざるを見ていたい。 そういう未練な仇《あ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
たのであった。千葉道場へやって来たのも、深い魂胆があったからではなく、自分の我無
沙羅な「待ったなし流」を、見て貰いたいがためであった。 「千葉道場におりさえした....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
目礼せられたのは額田医学博士御夫妻でした。兄が臨終の時お世話になった方です。 「
沙羅の木」の詩が合唱せられて、式が始まりました。曾孫たちの小さな手で、幕がするす....
「親鸞」より 著者:三木清
これが第十九願である。ここに得られる往生は「双樹林下往生」と呼ばれている。双樹は
沙羅双樹であって、釈迦は拘尸那《クシナ》城外の
沙羅双樹の下で涅槃に入ったと伝えら....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
(雪の峰があおみをおびて雲の間にそびえ、人間界のけがれをしずめおさえること幾万。
沙羅双樹の林の一夜、煙の散り消えたのちは、ただ唯我独尊の山が残ったのであった。)....
「広告」より 著者:伊丹万作
く私のこの雑文集に何十倍するだけの心の糧を諸君に提供するに違いない。 彼の本は
沙羅書店から出ている。 おわりに『長子』の中から私によくわかる句を、もう少し捨....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
入道平相国となり彼の咲き誇らせた地上わずか十余年の間こそ――“古典平家物語”が、
沙羅双樹の花のいろ、諸行無常の響きあり、というところのものです。人間諸行の曼陀羅....