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没分暁
「没分暁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
没分暁の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
しの罪を女に誣《なす》ろうという姦計《たくみ》なんでございますか」 弁者は渠の
没分暁《ぼつぶんぎょう》を笑いて、 「何も姦計《たくみ》だの、肩を持つの、という....
「明暗」より 著者:夏目漱石
のに是非来いなんていうはずがないじゃないか」
「それを云うのよ。岡本もよっぽどの
没分暁漢《わからずや》ね」
津田は黙ってしまった。何といって彼女を追究《ついき....
「中味と形式」より 著者:夏目漱石
」という簡潔な形式によって判断が浮んで来ないのであります。幼稚な智識をもった者、
没分暁漢《ぼつぶんぎょうかん》あるいは門外漢になると知らぬ事を知らないですまして....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いらない事はいらないんですけれども、還すのは厭《いや》ですもの」
「驚ろいたな。
没分暁《わからずや》で強情なんだから仕方がない。御前の学校じゃ論理学を教えないの....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
ものが、いたずらに自尊の念と固陋《ころう》の見《けん》を綯《よ》り合せたるごとき
没分暁《ぼつぶんぎょう》の鞭《むち》を振って学生を精根のつづく限りたたいたなら、....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
手順が狂わないようにあらかじめ人力《じんりょく》で装置するだけだ。自然にそむいた
没分暁《ぼつぶんぎょう》の事を企てるのとは質《たち》が違う。細工だってかまわん。....
「相対性原理側面観」より 著者:寺田寅彦
た必然な沿革や環境や与件を知悉しなければならない。それを知らなければ畢竟無理解|
没分暁の親爺たる事を免れ難いかもしれない。ましてや内部生活の疎隔した他人はなおさ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
沼間守一が言論の機関としていた時代と比べて之を堕落と云うものあらば時代を解せざる
没分暁の言として見らるゝであろう。其通りに雑誌も亦一つのビジネスであるが、二十五....
「文芸の主義」より 著者:森鴎外
ある。 自然主義というものに、恐ろしい、悪い意義があるように言い触らしたのは、
没分暁漢の言か、そうでなければためにするものの言である。もっともおかしいのは自然....
「田園雑感」より 著者:寺田寅彦
の結果はどちらもわからない前の二者よりも悪いかもしれない。性格が分裂して徹底した
没分暁漢になれなくなるから。それはとにかく、自分は今のところでは田舎よりも都会に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まって取附く島がございません。私共若い者たちは血の気が多うございますから、そんな
没分暁《わからずや》の非義非道な役人は夜討ちをかけてやっつけてしまえと、勢揃《せ....
「再び科学的精神について」より 著者:戸坂潤
体験を必要とするというような意味のことを説いたが、もしそのことが、文化上の無知な
没分暁漢である日本の政治家や為政者に対する批判ではなくて、科学の素人に対する批難....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
かし馬琴だけは止まって若殿のお相手をしたものである。しかるに若殿がお多分に洩れず
没分暁漢の悪童で馬琴を撲ったり叩いたりした。そうでなくてさえ豪毅一徹清廉潔白の馬....
「活人形」より 著者:泉鏡花
取らねば帰らぬ。きりきりここへ出しなさい。と言い募るに得三は赫として、「ここな、
没分暁漢。無い者ア仕方がねえ。と足を出せば、「踏む気だな、可いわ。踏むならば踏ん....