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没趣味
「没趣味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
没趣味の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
かんじん》の対象物があっての上の事で、この刺激を取り去ると索然《さくぜん》として
没趣味なものになってしまう。懸賞的興奮剤がないとすれば何か芸のある運動がして見た....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
日、日本の普通の家屋の内部はその装飾の配合が極端に簡素なため、外国人にはほとんど
没趣味なものに見える。 始めて独立した茶室を建てたのは千宗易、すなわち後に利休....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
入るを得べし。 都の夏を懼れて暑を山海の地に避くる人々の、かえって喧噪と雑沓と
没趣味とに苦しめられて、しかもそれらに対して高価な支払をなしたを嘆つこと、吾儕の....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
市を造れと言ってる。けだし彼等にとってみれば、あの黴《かび》臭い古都の空気ほど、
没趣味で散文的なものは宇宙にないのだ。 同様の事情によって、都会人の詩は常に田....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
オチェの美しい言葉をかりて云えば」「焔の如く燃える人々」が、「灰色がかった人」の
没趣味で、俗悪で、生気ない金銭支配への屈伏に反逆したのであった。 これらの人々....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
うがない。私は畜生《ちくしょう》だった…… が、こっそり一人で堕落するのは余り
没趣味で、どうも夫《それ》では趣味性が満足せぬ。どうも矢張《やっぱり》異性の相手....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
巧妙にして斧鑿《ふさく》の痕《あと》を留めず、かつ和歌もしくは檀林、支麦のごとき
没趣味の作をなさざるところ、またもってその技倆を窺《うかが》うに足る。縁語を用い....
「霊廟」より 著者:永井荷風
かのアングロサキソン人種が齎《もたら》した散文的実利的な文明に基《もとづ》いて、
没趣味なる薩長人の経営した明治の新時代に対して、幾度《いくたび》幾年間、時勢の変....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
を学んだ事もあったので、結局それらの修養と趣味とがかえって禍《わざわい》をなし、
没趣味な軍人の家庭にはいたたまれなかった。それと共に自分から夫に択《えら》んだ文....