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沢庵漬
「沢庵漬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沢庵漬の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
間を歩き回っていた。 「どれ、お大根でも干して。」 お民は出て行った。山家では
沢庵漬けの用意なぞにいそがしかった。いずれももう冬じたくだ。野菜を貯えたり、赤蕪....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
、飯菜を作って、その料理の種類の豊富さと味のよさとに、びっくりさせたものである。
沢庵漬から――貧乏ぐらしの惣菜一通りは心得ている。ことごとく幾年か手伝った御蔭で....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
巧妙なものなんだ。帆柱を立てる腕木を刳り抜いたり、船の底から丈夫な糸で吊したり、
沢庵漬の肉を抉って詰め込んだり、飯櫃の底を二重にしていたりする。そのほか、狭い舟....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
、午後六時には取入口から水路、発電所、堰堤と、各所から凄じい発破の轟音が起った。
沢庵漬の重石程な岩石の破片が数町離れた農家の屋根を抜けて、囲炉裏へ飛び込んだ。 ....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
(夕食) (朝食) 焼魚 味噌汁二杯 菜葉ひたし 削節
沢庵漬 たくあん二片 さしみ 味噌汁二椀 蓮の煮付 ....
「塩昆布の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
ように食の進まぬ時、もっとも適当な美食として働く。塩昆布などで茶漬けをやる時は、
沢庵漬けなど、むしろない方がいい。....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
一|側《かわ》並べては塩を沢山かけまた並べてまた塩をかけてなるたけ沢山塩を入れて
沢庵漬の通りに重い圧石《おしいし》を置くのです。こうすれば途中で幾度《いくど》出....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
らっしゃい。わたし、今の中《うち》に御飯たべてしまうから。」 女は茶棚の中から
沢庵漬《たくあんづけ》を山盛りにした小皿と、茶漬茶碗と、それからアルミの小鍋を出....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
夜泊った川治の旅館を立つとき、貢太郎老は、宿から一升ビンを乞いうけ、また、一本の
沢庵漬を新聞紙にくるんで懐中していた。そしてここまで来ると、老は「ええ藤の花ぞい....
「下頭橋由来」より 著者:吉川英治
て、冬を越した。春は、大根の花が咲く。 練馬といえば大根の産地なので、殊さら、
沢庵漬問屋とは呼ばない。樽屋という旧家だった。彼女はそこの娘だった。 石神井川....