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沢辺
「沢辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沢辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
村まで米を取りに行った留守中に大変な豪雨があった時の事である。元々村へ出るには、
沢辺《さわべ》まで降りて、沢伝いに里へ下るのだから、俄雨《にわかあめ》で谷が急に....
「行人」より 著者:夏目漱石
た。その麓《ふもと》に入江らしく穏かに光る水がまた海浜《かいひん》とは思われない
沢辺《さわべ》の景色を、複雑な色に描き出していた。自分は傍《そば》にいる人から浄....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
はなしと答え、仏はあるべしという、喜んで仏と衆僧を供養す。それから帰る途上仏ある
沢辺に休むと猴が蜜を奉り、喜んで起《た》って舞い坑に堕ち死して師質の子と生まる。....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》っておとなしく沈みいたと判った。 元禄五年板、洛下俳林子作『新百物語』二に金
沢辺の甚三郎という商人、貧しくなり、大黒天を勧請《かんじょう》して、甲子の日ごと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
い出させ、又何となく林町の父をも思い出させます。したしみのある面白い絵です。軽井
沢辺と見えますね、遠景の工合。何年ぶりかで今年は絵を見て、芸術家の感興ということ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
というよろこびを覚えます。ストック品などでは役には立たないのよ。用心ぶかく、軽井
沢辺で、芋でもかこうように作品をかこって繁殖させていたところで、芋は遂に芋よ。だ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
なくても、いい気持のする文句でしょう?」 次郎は、ふと、自分の生れ故郷の、あの
沢辺の晴れた秋景色を想像した。そこには芦が密生していて、銀色の穂波がまばゆいよう....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
む 子の日すと春の野ごとに尋ぬれば松にひかるる心地こそすれ まこも草つのぐみ渡る
沢辺にはつながぬ駒も放れざりけり 取りつなぐ人もなき野の春駒は霞にのみやたな引か....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ゆくぞ、姉上を……姉上を……」 呟きながら、武蔵は木剣を杖について、水音のする
沢辺の方へ、一人でガサガサと降りて行った。 勤行の鐘が、今しがた終った。旅へ出....
「三国志」より 著者:吉川英治
「かかれっ! 攻め登れッ」 とうとう雷同は癇癪を起して、まず渓流を踏みこえ、
沢辺の柵門へかかった。ばりばりとそこらを踏み破る。声をあわせて、山の肌に取っつく....
「料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
いを、賞味しつづけて歩いたことがある。また、日頃はたいの質の悪い加賀の山代から金
沢辺において、平生とは似ても似つかぬ美味いたいを、四、五月頃、何度も賞味したこと....