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沮
「沮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
かりでなく、危険もまた少なくない。というのは、その悪評を是認するために、勇気が、
沮喪《そそう》するという意味ではなく、それを否認するために、その後の創作的動機に....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
云うのです。これには新蔵も二度|吐胸《とむね》を衝いて、折角のつけ元気さえ、全く
沮喪《そそう》せずにはいられませんでした。明後日と云えば、今日明日の中に、何とか....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。満月に近いころの事とて潮は遠くひいていた。蘆《あし》の枯れ葉が日を浴びて立つ
沮洳地《そじょち》のような平地が目の前に広がっていた。しかし自然は少しも昔の姿を....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
すべき悪行為が流行しているのですよ。そんなことが流行しては、国民の意気はどんなに
沮喪することでしょう。閣下は国民に対して甘すぎます。彼等に睡る時間や喰べる時間や....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
の意気を失ってはならない。世には往々ほんの僅かの苦しみにもたえず、周章狼狽、意気
沮喪して敗北しながら、意思の薄弱なのを棚に上げ、山の驚異や退却の困難をとき、適当....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
戟も傷くる能わずと思っていたのに、四郎が傷いたので、彼等の幻影が破れ、意気|頓に
沮喪したと云われる。 幕軍は、城中に在ったものは老幼悉く斬って、その首を梟した....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
旗を仰いだわけで、官賊の別が判然としたので、薩長の軍は意気軒昂となり、幕軍は意気
沮喪して、いよいよ敗勢の著しいものがあった。 五日には、淀城附近で会津の槍隊が....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
がらも、よく堅守して居る忍城の成田氏長の様な勇将もあったが、小田原城の士気は全く
沮喪して仕舞った。 此の年の五月雨は例年より遙かに長かったらしい。霧を伴い、亦....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
」 左右の者がさえぎって諫めた。 「もし思い通りに銭の面が出ない時には、士気を
沮める虞れがあります」 狄青は肯かないで神前に進んだ。万人が眼をあつめて眺めて....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
捩取る。) 百合 晃さん――御無事で――晃さん。(とがっくり落入る。) 一同|色
沮みて茫然たり。 晃 一人は遣らん! 茨の道は負って通る。冥土で待てよ。(と立直....
「獅子は死せるに非ず」より 著者:小栗虫太郎
他に、専門誌が生れはせぬかと云うことであった。しかし、いまではその機運もなく……
沮喪にかさね、最後の十二巻目が来てしまったのである。 われわれは、此処で静かに....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
げそうもない。なんだか頭がふらふらして眩暈がするように思われるので、ひどく勇気が
沮喪してしまって、まだ日が高いのに途中の小さい駅に泊まることにして、駅の入口の古....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
学に絶望して衣食の道を他に求めるべく考えていたのがこの不快な絶望にいよいよ益々|
沮喪して断然文学を思切るべく決心した。 だが、世間は作者自身が失望する如くにこ....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
なる証拠を発見しえぬ。しかし近傍の諸民族間には往々にして古くこの風があった。東沃
沮の俗新死者を仮埋めにし、皮肉尽くるを以て骨を取って木槨中に置くと魏志にある。今....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
これは大方収入が少なくて活計向に心を艱ますからであろうと思われる。これらの気概の
沮喪した兵士に比すると壮士坊主の方が余程えらい。彼らは妻はなし子はなし、少しも顧....