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沸騰
「沸騰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沸騰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
水戸を引張《ひっぱ》りまわして町中を飲み歩いた。この日二人の間には珍らしく議論が
沸騰《ふっとう》したのである。それは「この世は神が支配し給うか。それとも悪魔が支....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「ごもっともでございます」 半七もうなずいた。今の時節――勤王討幕の議論が
沸騰している今の時節では、仮りにも京都の公家にゆかりがあるという者、それは厳重に....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
えた前脚を踏み立てて、思わず平頸を高くそびやかしたように、山は急にそそり立って、
沸騰せんばかりに天を摩している。今にもすさまじい響きを立ててくずれ落ちそうに見え....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
e〕 一七一二年)であった。この後者の説では地心の水は濃厚で濁っていて、しかして
沸騰するほど熱いということになっている。 デカルトの考えは当代から非常な驚嘆を....
「地球盗難」より 著者:海野十三
洩らさず連日の紙上に書いた。君は明かに金鵄勲章功一級というところだ。学界はいま大
沸騰をしているよ」 「そうそう、その佐々砲弾で僕は今やってきたのです。先生この天....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
…) 田鍋課長は、えらいことを思い出した。彼の胸の中は、今や沸々《ふつふつ》と
沸騰《ふっとう》を始めた。しかし帆村はそんなことを知らない。 美しき闖入者....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
。説明もなにもできないような苦しみを……」 ごとごとごとと、ビーカーの中の湯が
沸騰《ふっとう》をはじめた。 「ぼくは、さっきもいったように、第一番に一本の紐を....
「金属人間」より 著者:海野十三
るのだった。金属Qがはいっているという脳髄は、ビーカーの中で、沸々《ふつふつ》と
沸騰《ふっとう》する茶褐色の薬液《やくえき》の中で煮られてまっくろに化《か》して....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
投げこんだ。薬液の色はいくたびか変り、最後には薬がかかった色の液が白い泡をたてて
沸騰し、もうもうと白煙が天井の方まで立昇った。雪子はそれを見ると狂喜してコップを....
「火薬船」より 著者:海野十三
くりかえして、船長ノルマンの申入れを承諾することに決していながら、なおも議論は、
沸騰した。 「ノーマ号に屈服するなんて、なにがなんでも、あまり情けないことです。....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
下田へ乗り込んで来るという騒ぎで、世の中は急にそうぞうしくなる。それから攘夷論が
沸騰して浪士らが横行する。その攘夷論者には、勿論まじめの人達もあったが、多くの中....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
行かないので、四面楚歌のうちに一週間ほども興行をつづけていると、警視庁でも輿論の
沸騰にかんがみて、さらに劇場に対して上演中止を命令した。今度の興行はこれが一日の....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
文の聚宝盆で、口先きの変った、丁度|果実の盛籠を見るような色彩美と清新味で人気を
沸騰さした。S・S・Sとは如何なる人だろう、と、未知の署名者の謎がいよいよ読者の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
士よりも遥にヨリ以上重視された文学士の肩書を署した春廼舎の新作は忽ち空前の人気を
沸騰し、堂々たる文学士が指を小説に染めたという事は従来戯作視した小説の文学的位置....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
来二十年間沈黙した海舟伯までが恭謹なる候文の意見書を提出したので、国論忽ち一時に
沸騰して日本の危機を絶叫し、舞踏会の才子佳人はあたかも阪東武者に襲われた平家の公....