油を注ぐ[語句情報] » 油を注ぐ

「油を注ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

油を注ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
方に向いた。紺屋《こうや》の白袴《しろばかま》どころでなく、これでは柳吉の遊びに油を注ぐために商売をしているようなものだと、蝶子はだんだん後悔した。えらい商売を....
わが町」より 著者:織田作之助
きくなり、自然足は遊びの方に向いた。紺屋の白袴どころでなく、これでは柳吉の遊びに油を注ぐために商売をしているようなものだと、蝶子はだんだんに関東煮屋をはじめたこ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
んだ。 「し、失礼な事をなさると、声を揚げますよ」 然しそんな努力は反って薪に油を注ぐようなものだった。彼女がこう叫んだのをきっかけに浅田は飛びかゝった。 ....
石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
わめきとの間にも微かなキューキューいう規則正しい音が聞える。子供の時分ランプへ石油を注ぐ時使う金の道具があった。それを石油カンにさして細い針金を引っぱり石油をラ....
見えざる敵」より 著者:海野十三
それなのに、あの火星獣の毛のことをうちの新聞に素っぱぬくなんて、彼奴の憤慨の火に油を注ぐようなものですよ。そしてもしか、社長がギャングの大将だと嗅ぎつけられてご....
転機」より 著者:伊藤野枝
たりした。 私がそれ等の書物から知り得た多くのことは、私の最初の感じに、さらに油を注ぐようなものであった。その最初から自分を捉えて離さない強い事実に対する感激....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もないことです。ただ作物を人として扱うのと、物として扱うだけの相違であります。石油を注ぐことの代りに、愛情を注ぐだけの相違であります。日に当てなくとも、温かい心....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。時にここのお代官殿を中に、今の屋敷の近頃の空気そのものが、またお蘭さんの行動に油を注ぐように出来ている。 案の定――兵馬の客となっている部屋の外、それは先日....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のような先生ですから、おあいにならない方がようござんしょう」 留めて、かえって油を注ぐようなことになってしまいました。 「おい、お勢ちゃん、あっしはね、虫のせ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、こういう場合に、主膳の意に逆らうような文句を以て応酬することの、かえって火に油を注ぐようなものであることだけはよく知っている。 そこで、忽《たちま》ちに論....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。彼の恋は募ってきた。毎夜その夢を見た。その上意外な幸福がやってきた。それは火に油を注ぐようなもので、また彼の目をいっそう盲目ならしむるものだった。ある日の午後....
魔都」より 著者:久生十蘭
らしたので、さすがに冷静な真名古も胸中鬱然たる怒気を発した。いわば林の一言が火に油を注ぐような結果になったのである。真名古は慌てて機嫌を取結ぼうとする林を尻眼に....