油売り[語句情報] » 油売り

「油売り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

油売りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ましい沙汰じゃ。心得がのうても、心得のあるように真実に見せるのが、役者の芸じゃ。油売りになれば、油売った心得がのうても、油売りになって見せるのは芸じゃ。密夫の心....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
官人が住んでいた。彼が夜帰って来て横町へはいると、油を売る者に出逢った。 その油売りは大きい帽をかぶって、驢馬に油桶をのせていたが、官人のゆく先に立ったままで....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
し、この恐ろしい纐纈を作るのではござりますまいかと」 「うむ」と信玄は頷いた。「油売り松並荘九郎がともかくも美濃を平定し斎藤道三と宣る浮世だ。そういう不思議もな....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
脚を宙に浮かして、アカシヤの幹から枝にかけて縛りつけられた。 「私、生意気者で、油売り、横着者で、悪者で……これが見せしめ……これが見せしめ……。」 アカシヤ....
斜坑」より 著者:夢野久作
ばかり何十人となく駈付けて来た。それに後から寄り集まった大勢の野次馬が加わって、油売り半分の面白半分といった調子で、ワイワイ騒ぎ立てたので、狭い坑道の中が芋を洗....
親友交歓」より 著者:太宰治
。そんなに、この俺を見下げ果ててもらっては困るよ。お前の家だって、先祖をただせば油売りだったんだ。知っているか。俺は、俺の家の婆から聞いた。油一合買ってくれた人....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
業を怠けるようなことがあってはならぬ』と教えて、御自分も教主の御身でありながら、油売りをおやめになりません、その油を売る時も、桝《ます》の底から周囲《まわり》ま....
六月」より 著者:相馬泰三
けた。 (社長さん、ちょっと思い出したから尋くが、君はもと浅草の何とかいう横町で油売りをしていたってね。――何もよけいなことには相違ないが、校正のT―老の話だか....
梟雄」より 著者:坂口安吾
うつしてみせる。もしちょッとでも一文銭に油がついたら代はとらぬぞ。さア、一文銭の油売り。買ったり」 ひそかにみがいていた手錬の妙。見事に一滴も一文銭に油をつけ....
織田信長」より 著者:坂口安吾
リ。 手練の妙、穴を通して、フチへ油のかゝったことがない。大評判、油は一文銭の油売りの油にかぎるとなって、たちまちのうちに金持ちになった。 油を売りながら兵....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
得意は二百軒に増加した。これでいささかの希望の曙光を認め得たので俥挽きを廃業して油売り専門となり、満一ヶ年目には三百戸となり、数年目の今日五百軒に達したので、今....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
沖縄だときめるのは不可能なことだ。 坂口先生からきいた話だが、大島からのツバキ油売りと名のる行商人がきた時に、その真偽を見破るカンタンな方法があるそうだ。もっ....
火を点ず」より 著者:小川未明
ら、頭だけを外の方に向けて、 「まだ、今日はあったようだ。」とかなんとく、その石油売りにいったのでした。 「また、お願いいたします。」と、男は、軒下を去って隣の....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
橋の日吉丸のことほど伝わっていないが、それよりは事実性は多い。 僧になったり、油売りしたり、実世間の流浪をいろいろな職業にわたって通って来た道三秀龍だけに、後....