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「油火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

油火の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おしの」より 著者:芥川竜之介
かとレクトリウムを守っている。それからずっと堂の奥に常燈明《じょうとうみょう》の油火《あぶらび》が一つ、龕《がん》の中に佇《たたず》んだ聖者の像を照らしている。....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
のであった。 二十 家の中にはあの牛飼の若者が、土器《かわらけ》にともした油火《あぶらび》の下に、夜なべの藁沓《わらぐつ》を造っていた。彼は戸口に思いがけ....
藁草履」より 著者:島崎藤村
かさないように聢《しっか》と馬の胴へ括付《くくりつ》けました。母親《おふくろ》は油火《カンテラ》を突付けて見せる――お隅は編笠、源は頬冠《ほっかぶ》りです。坂の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
をひいた。新宅の旅籠屋もできあがるころは、普請のおりに出た木の片を燈して、それを油火に替え、夜番の行燈を軒先へかかげるにも毎朝夜明け前に下掃除を済まし、同じ布で....
死者の書」より 著者:折口信夫
しては机を立てて、写経をしていることもあった。夜も、侍女たちを寝静まらしてから、油火の下で、一心不乱に書き写して居た。 百部は、夙くに写し果した。その後は、千部....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
拠になるとも云えるんだ。そして、何処に隠れていたかと云う事は、あの当時の夢殿が、油火一つの神秘的な世界だったのだから、それは改めて問う迄もない話だろう。所で、浄....