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「油皿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

油皿の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
うりょうだな》を作って、茄子《なす》の牛や瓜《うり》の馬が供えられた。かわらけの油皿《あぶらざら》には燈心の灯が微かに揺らめいていた。六十ばかりの痩せた僧が仏壇....
寺坂吉右衛門の逃亡」より 著者:直木三十五
すのは、骨であった。吉右衛門は、松屋へ泊った。 柱に、二本の燈芯《とうしん》の油皿の灯があるっきりで、湯気と、暗さとが一緒になっていた。狭い、汚い、風呂場であ....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
座敷である、それを通して前々句を見るとそこには行燈《あんどん》があり、その中から油皿《あぶらざら》の心像がありありと目に見える。その皿が畳の上におりて来る、見て....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
れは、下谷の、これは虎の門の、飛んで雑司ヶ谷のだ、いや、つい大木戸のだと申して、油皿の中まで、十四五挺、一ツずつ消しちゃ頂いて、それで一ツずつ、生々とした香の、....
胚胎」より 著者:宮本百合子
からよっぽどはなれた所に青銅製の思い切って背の高いそして棒の様な台の上に杯の様な油皿のついた燈火を置いて魚油を用うるので細い燈心から立つ黄色い焔の消えそうなほど....
丹下左膳」より 著者:林不忘
いやしくしない、普通《ただ》ならぬ武道のたしなみが読まれた。 しかも! 土器の油皿、一本|燈心《とうしん》の明りに照らしだされた蒼白い額に観相《かんそう》に長....
おせん」より 著者:邦枝完二
「いまつける」 探り当てた油差を、雨戸の隙間から微かに差し込む陽の光を頼りに、油皿のそばまで持って行った松五|郎は、中指の先で冷たい真鍮の口を加減しながら、と....