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油脂
「油脂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
油脂の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
で「ははあ、これは夢だわい」と、目をさましたのであった。二度目は、貨車一台ほどの
油脂焼夷弾がこっちのビルヘ落ち、そこら中に火をふりまき、私はたぶん晴彦を連れ、二....
「オンチ」より 著者:夢野久作
拡がる夥しい平炉の白熱鉱流は、広場の平面に落ち散っている紙屑、藁屑、鋸屑、塗料、
油脂の類を片端から燃やしつつグングンと流れ拡がって行く。その端々、隅々から赤や、....
「日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
の薄膜を頑固に付着せしめる性質がある。そうして、普通人間の手に触れる物体は自然に
油脂類のそういう皮膜でおおわれていて、それを完全に除去するのはなかなか容易でない....
「鐘に釁る」より 著者:寺田寅彦
ことは次のような考察をすれば、何人にも一応は首肯されるであろうと思う。 金属と
油脂類との間の吸着力の著しいことは日常の経験からもよく知られている。真鍮などのみ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
エントに当り、医学上の立場からアンクション、宗儀上はアノインチングというらしい。
油脂|牛酪《バター》等を身に塗り、邪気を避け病毒を防ぎ、また神力を添え心身を清浄....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
と……」 「ケリヤムグインはドイツで創製せられた毒瓦斯材料で、常温では頗る安定な
油脂状のものです。それを高温にあげ、燃焼させますとたちまち猛烈な毒瓦斯となります....
「魔都」より 著者:久生十蘭
傍らの柱のそばの紙張の壁の上に、微かながら薄黒い三本の指の跡が残っている。薄黒い
油脂のようなものが指先に付いて、それが紙張の壁の上に微かな跡を残しているのである....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
に装置のことをたずねるかわりに、そういった。 「まったくです」と、将校はいって、
油脂で汚れた両手を用意されてあるバケツで洗った。 「でも、この軍服は故国を意味す....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
こからともなく、火箭を城内へ射込んでいた。 矢ジリの尖を籠目とした火舎の中に、
油脂をつめた物である。その鏑矢に似たものを、強弓の達者が放つと、矢は笛のような叫....