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治安維持法
「治安維持法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
治安維持法の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
根拠を置いていることになる。検閲に就いての悶着はいつもここから発生するのである。
治安維持法と出版法とに連関して、現下の思想検閲が、どんなに重大な役割を演じている....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
との衝突を免れぬものだという。現在の日本に於て最も普及している日本主義は、例えば
治安維持法を厳罰主義に「改正」しようと欲するような官僚政治的日本主義であるのだが....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
それが必要だったのである。 最近最も大衆の道徳意識を刺戟したものは何と云っても
治安維持法の「改正」だろう。尤もこの改正は、手続法に関する限り、今まで当局がやっ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
にそのやり方が都合のよい法律の施行を前提するという意味で(改正出版法、新聞紙法、
治安維持法、不穏文書取締法、治安警察法、其の他)合法的であると云うだけではなく、....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
間の生命が覘われるということが、何より直接な重大な治安の紊乱なのだ。 日本には
治安維持法という立派な法律がある。だがそう云っても今、この法律を五・一五事件や血....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
だ行く処まで行ったものと、行きたいが思い切って行けないものとの相違があるだけだ。
治安維持法の「改正法」案は衆議院を通過したが惜しくも貴族院で握り潰された。この改....
「あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)」より 著者:宮本百合子
っきりしない執筆禁止について抗議した。それから、私は、当時、保護観察所と云って、
治安維持法にふれたことのある人々を、四六時中つけまわして思想的生活的に制約するこ....
「あとがき(『宮本百合子選集』第七巻)」より 著者:宮本百合子
主題であった。この二つの作品は、日本のすべての人々にとって忘却することのできない
治安維持法と戦争のために犠牲とされた理性と善意のために捧げられる。生けると死せる....
「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」より 著者:宮本百合子
なかった。一九三二年の三月後から一九四五年八月までつづいた日本のファシズム権力は
治安維持法と情報局の取しまりとで社会主義という文字そのものが印刷物にあることを禁....
「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」より 著者:宮本百合子
二つのことに触れられていたら、もっとよかったと思うところもある。その主な一つは、
治安維持法そのものの野蛮性の抉剔についてである。なぜなら、横光利一の心理主義がそ....
「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」より 著者:宮本百合子
けにはゆかない。権力は日本の「能動精神者」たちを政治性・階級性にふれればすなわち
治安維持法でと巧みにおびやかしたし、同時に「能動精神者」たちは、当局のそのおどか....
「三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
そのものが、実につまらないものだった。彼の友人高倉テル君が、これも殆んど冤罪で、
治安維持法にひっかかり、警視庁に留置されているうち、何故か逃亡した。当時、三木は....
「地方文化運動報告」より 著者:中井正一
最小単位の文化運動が始まっている。」 私は「ようし」と腹の底で呻ったのである。
治安維持法は、十月四日に断ちきられた。私は、三日後、十月七日、そのスタートを切っ....
「聴衆0の講演会」より 著者:中井正一
から、このごみごみした尾道市に、文化運動として、手をつけてよいのか。 十月四日
治安維持法が断ち切られて最初の日曜日、十月七日、私はやむにやまれぬ心持でまず講演....
「新生の門」より 著者:林芙美子
か、ほほ笑《え》ましいものを感じるのでした。女の犯罪として、案外一番すくないのは
治安維持法違反と、文書偽造、兌換《だかん》券偽造とか云った罪名でした。殺人の二十....