沼気[語句情報] »
沼気
「沼気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沼気の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
ろをどうしても出切ってしまうことができなかった。そこへ沼の底から湧《わ》いて来る
沼気《メタン》のようなやつがいる。いやな妄想《もうそう》がそれだ。肉親に不吉があ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
人達はしだいに濃く感じはじめてきた。けれども、予測に反して、降矢木一族の表面には
沼気ほどの泡一つ立たなかったのだが、恐らくそれと云うのも、その瘴気のような空気が....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
がる悪魔の尿溜の湿林は濃稠な蒸気に覆われてまったく見通しが利きません。その靄か、
沼気か、しらぬ灰色の海に、ときどき異様な斑点があらわれるのです。 私は思い切っ....
「翔び去る印象」より 著者:宮本百合子
いた。柳には、乾いた藻のような寄生木《やどりぎ》が、ぼさぼさ一杯ぶら下っている。
沼気の籠った、むっとする暑苦しさ。日光まで、際限なく単調なミシシッピイの秋には飽....
「道」より 著者:織田作之助
しはなかった。鼠の死骸はいつまでもジクジクしていた。近くの古池からはなにかいやな
沼気が立ちのぼるかと思われた。一町先が晴れてもそこだけは降り、風は黒く渡り、板塀....