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「沼沢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沼沢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
の波濤が城壁の根を洗っている上に、大手には多くの丘陵が起伏して、その間に、泥深い沼沢が散在した。 板倉内膳正は、十二月十日の城攻めに、手痛き一揆の逆襲を受けて....
季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
物の美的特徴を完全に受け取ることは不可能と言っていい。その他、丘陵、高山、原野、沼沢、砂地、海辺、田圃、河畔、庭園など、その土地に在る植物の美を知るには、その植....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
度辺にまでかけ、アルゼンチン、パラグァイ、ボリヴィアの三か国にわたり、密林あり、沼沢あり、平原ありという、いわゆる庭園魔境の名のグラン・チャコ。そこは奇獣珍虫が....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
姉川の沿岸は、水田多く、人馬の足立たず、殊に越前勢は、所の案内を知らざる故、水田沼沢の地に人馬陥り、撃たるる者が多かった。真柄父子を始めとし、前波兄弟、小林瑞周....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
進軍を防遏されて居るのである。 正行直属の兵は凡そ一千人位で、当時大和川附近の沼沢地に陣して居た師直の本営を掩撃す可く突撃隊を組織した。 五日早旦、恐らく午....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
る。鷹を放つ者は鶴を獲たり鴻を獲たりして喜ぼうと思って郊外に出るのであるが、実は沼沢林藪の間を徐ろに行くその一歩一歩が何ともいえず楽しく喜ばしくて、歩※に喜びを....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぐり入られた草叢の方へと、飛ぶが如くに押し寄せて行きます。その背後は一|帯の深い沼沢で、何所へも退路はありませぬ。もうほんの一と煽りですべては身の終り……。そう....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
な土地を多少の興味をもって見※し始めた。 私は、柳や、蒲や、変てこな見慣れない沼沢性の樹木などが一面に生い茂っている沼のような地域を横切って来て、その時は、波....
札幌まで」より 著者:寺田寅彦
かがなかなか容易に分らない問題であろう。 北上川の蛇行水路の右岸の平野に低湿の沼沢地が一面に分布しているのは不思議である。河流が完成して後に一体の地盤が沈降し....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ず燃やしたてられてる、その固定観念! あらゆる嫌悪、あらゆる労苦、生活の腐爛せる沼沢《しょうたく》の中において、彼を支持している、その固定観念! 将来いかなるも....
家なき子」より 著者:楠山正雄
馬に乗っていれば大男にも見えるさ」 そこでかれはわたしに説明してくれた。砂地や沼沢か多いランド地方の人は、沼地を歩くとき水にぬれないように、竹馬に乗って歩くと....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ってどうすることも出来なかった。またある時のことであるが、やはり私は友人を連れて沼沢地方を歩いていた。蘆や薄が生い茂ってそれが身長の倍ほども延びて空に向かって靡....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
避けるような生活様式を所有しておった。大昔の低地は原始林でもあるし洪水の起り易い沼沢地帯でもあって毒虫猛獣の害も多く、それに比して山岳地帯の盆地の方が居住地とし....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
貯蓄の方法をとらねばならぬと、富士男は決心した。かれはゴルドンとはかって、湖畔や沼沢や、森のなかに、ベッカリーやヴィクンヤ等の、大きなけものをとらうるにたるほど....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
やはり土が要る。たいていは、大陸の中央か大峻険の奥。密林、氷河、毒瘴気の漂う魔の沼沢と――すべてが地上にあって海洋中にはない。ただ、あるといえば藻海くらいだろう....