沿道[語句情報] » 沿道

「沿道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沿道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
天竜川の支流和田川の奥を八重河内というし、金森長近が天正十六年に拓いた飛騨高原川沿道を河内路と唱えているから、この地に最もふさわしい名と考える。 神河内の在る....
路上」より 著者:梶井基次郎
《ふぜい》といったようなものが感じられる。窓から外を眺め勝ちな自分は、ある日その沿道に二本のうつぎを見つけた。 自分は中学の時使った粗末な検索表と首っ引で、そ....
放送された遺言」より 著者:海野十三
精神病病院の収容自動車を送り、私刑を行なわんとてひしめく群衆を制するために、その沿道に二個師団の兵士と三千人の警官とを集中したのであった。私が古なじみの雑仕婦の....
島原の乱」より 著者:菊池寛
島津も、東西の両道を南下する豊臣勢には敵すべくもなく、忽ち崩潰した程であるから、沿道の小名|郷士の輩は風を望んで秀吉の軍門に投じたのであった。 秀吉は此一円を....
火星探険」より 著者:海野十三
をした。一行の上に、七色の紙が花のように降り、市民たちは家もすっかり空っぽにして沿道に集り、歓呼をあびせかけた。 山木、河合、張、ネッドの四少年は、例の牛乳配....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
だねえ」 しんぼうくらべ オーロラの国も、いつしか通りぬけて、宇宙旅行の沿道のながめは、いよいよ単調で、たいくつなものとなってきた。 なぜなら、空はど....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
速度を味わってみたがかなり爽快であるべき筈のところ、私には実は少々風が寒かった。沿道の風景が重なり合って急速度で飛んで来るので、私はその風景を全部そのまま食べて....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
れ、嫉妬と言われ、じんすけと嘲けられつつも、多勢の人数を狩集めて、あの辺の汽車の沿道一帯を、粟、蕎麦、稲を買求めて、草に刈り、芥にむしり、甚しきは古塚の横穴を発....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
不利益であります処から。……は。」 「分りました、ごもっともです。」 「ですが、沿道は、全く人通りが少いのでして、乗合といってもめったにはありません。からして、....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
を、兎のような雲にのって。 「桃色の三日月様のように。」 と言った。 松島の沿道の、雨晴れの雲を豆府に、陽炎を油揚に見物したという、外道俳人、小県の目にも、....
天皇陛下にさゝぐる言葉」より 著者:坂口安吾
ョーク感激の代表選手にとりかこまれて、天皇陛下は御満足であるのか。 国民たちの沿道の歓呼というようなものを、それを日本の永遠なる国民的心情などゝお考えなら、ま....
邪教問答」より 著者:坂口安吾
。事実そのものにのみ実際の力が即しているのだから。 天皇が関西方面へ旅行する、沿道の歓迎が大変だったという。多くの人が泣いていたという。 私はそれをやっぱり....
火の扉」より 著者:岸田国士
空に浮いた中部山腹の峰々が、いつの間にか、もう雪におゝわれていた。 通いなれた沿道の風景ではあるが、北原ミユキは、今日ほど眼にうつるあらゆるもの、農村の農村ら....
暗夜の格闘」より 著者:小酒井不木
竹内さん――私はこれから竹内と呼びます――の下宿へ急ぎました。小春日和の暖かさに沿道の樹々の色も美しく輝いていましたが、木村さんは先へ心が急くと見えて、あまり口....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
るという。 甲府を十一時発の汽車で東に向う。雲が深くなったので白峰は見えない。沿道の紅葉は少し盛りを過ぎたのか、色が悪い。 汽車の窓から外の景色を見ると、ど....