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「泉下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泉下の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
案内者」より 著者:寺田寅彦
確かにそうかもしれない。しかしこの全責任を負わされてはこれらの大家たちはおそらく泉下に瞑する事ができまい。少なくも責任の半分以上は彼らのオーソリティに盲従した後....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
で無くても政宗には一寸好い心地であったろうが、既に早く病死して居た氏郷に取っては泉下に厭《いや》な心持のしたことで有ろう。家康も亦一寸変なことをする人である。氏....
四十八人目」より 著者:森田草平
おいて高家の筆頭吉良上野介に斫りつけ、即日切腹、お家断絶となった主君浅野内匠頭の泉下の妄執を晴さんために、昨夜吉良邸に乗こんで、主君の仇上野介の首級を揚げ、今朝....
父の墓」より 著者:岡本綺堂
養うの資力なく、世に立ては父母を顕わすの名声なし、思えば我は実に不幸の子なりき。泉下の父よ、幸に我を容せと、地に伏して瞑目合掌すること多時、頭をあぐれば一縷の線....
西航日録」より 著者:井上円了
夫眠、家禽淘汰鑑人力、生物起源帰自然、埋骨帝王廟前地、留名学界史中篇、請君長臥九泉下、誰怪偉功千歳伝。 (進化論をとなえて三十年、その論はよく万人の眠りを覚ます....
三国志」より 著者:吉川英治
姜叙、楊阜以下、すべて白い戦袍に白い旗をかかげて、 「亡主の仇馬超を討ち、もって泉下の霊をなぐさめん」 と、弔い合戦を決意した郷兵軍が、悲壮な陣を布いていたも....
三国志」より 著者:吉川英治
は、義を血にすすり、親を魂に結んでいた仲ではないか。もし一方に傷でも負わせたら、泉下の父は、どのように嘆くことか」 「はっ」と、ふたりは矛をすて馬をとび降りて、....
三国志」より 著者:吉川英治
関羽、張飛、そのほか幾多の父、幾多の子、また、無数の英骨、忠臣、義胆の輩はいかに泉下の無念をなぐさめていたろうか。 かつて皆、この土のために、生命をささげ、骨....
私本太平記」より 著者:吉川英治
を次げよかし。ゆめ、供養事無用なり。唯、われに代つて、遠祖の遺託を為しとげてよ。泉下、その日を待ち侍らん。 置文を前に、高氏は化石したようにいつまでもその眼を....
私本太平記」より 著者:吉川英治
うな訓えにはなったことか。さらば高時もあまんじて地獄に落ち、世の畜生道を、しばし泉下から見物するか。……」 と、笑ったが、そのとき、どこか遠くの方で、天狗の声....
私本太平記」より 著者:吉川英治
違いなかった。――で、尊氏が拝を終ると、具簡は畏る畏る、追従してこう言った。 「泉下の赤橋(英時)どのにも、今日はいかばかり、およろこびか。また、将軍(尊氏)に....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ぞんじます。さあれば、これが今生のお別れ。――ひとえに、ご聖運のひらけますよう、泉下よりお祈り申しあげておりまする」 おちついていた。 まったく、おちつきぬ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いぬが、いまでも、ここの旧臣たちは、寄り寄り、正成の死を悼んでやまぬようだ」 「泉下の父も、さぞ冥加に思うておりましょう」 「さあ、どうかな?」と、後村上は青年....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
生家の四男右門だ」 「存じあげておりまする」 「知っている?」 「はい。いつも、泉下の仏にお優しい御回向を、陰ながら有難いと伏し拝んでおりました」 「あっ。では....