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泉水
「泉水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泉水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
見事な葡萄棚《ぶどうだな》があり、葡萄棚の下には石を畳《たた》んだ、一丈ばかりの
泉水がある。僕はその池のほとりへ来た時、水の中の金魚が月の光に、はっきり数えられ....
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
壁や天井そのものまでが動いているように見えた。 が、夜になるとワジェンキ宮殿の
泉水には冷たい微風が吹き起った。月の光が、ワルシャワの街を青い潮水の水底にあるよ....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
間隔があるので、そううるさくは耳に響いて来ない。 忠直卿は萩の中の小道を伝い、
泉水の縁を回って小高い丘に在る四阿《あずまや》へと入った。そこからは信越の山々が....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
た。 成田邸の裏手の塀に、縄梯子がかかった。 新一郎は、一番に邸内へ入った。
泉水の向うの十二畳が頼母の居間、その次の八畳を隔てて向うに、お八重殿の居間がある....
「地球盗難」より 著者:海野十三
しているだろう。何れにしても奇怪なる起伏凹凸をなして居り、丘陵があるかと思えば、
泉水が流れ、雑木林があるかと思えば、巍然として洋風の塔が聳えたっていたりする。博....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
化の出現を待つ。まあ、茶でも一口すすろうではないか。明るい午後の日は竹林にはえ、
泉水はうれしげな音をたて、松籟はわが茶釜に聞こえている。はかないことを夢に見て、....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
いほど多量の水をたくわえているところから、こっちへ流れこんで来たのである。それは
泉水《せんすい》の大きな池であった。 そうでもあろう、水のいきおいはもうれつで....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
気をつけていたつもりであったけれど、とうとうお隣りの鬼河原邸《おにがわらてい》の
泉水《せんすい》をこわしてしまったのであった。すなわち今彼に向って「やあやあ汝《....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
此方へ向をかえると、渚に据った丘の根と、海なるその岩との間、離座敷の二三間、中に
泉水を湛えた状に、路一条、東雲のあけて行く、蒼空の透くごとく、薄絹の雲左右に分れ....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
。 三 ザワ、ザワ、ザワと音がする。木立へ宵の風が渡るらしい。
泉水の水が光っている。月が照らしているからだろう。
泉水の向こう側がもり上がっ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
彼は、そこでもう一度、式の予行をやってみるのである。 Le Cygne 彼は
泉水の上を、雲から雲へ、白い橇のように滑る。なぜなら、彼は、水の中に生じ、動き、....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
。庭の築山では吉野桜が、微風にもつれて散っていた。パチッ、パチッと音のするのは、
泉水で鯉が躍ねるのであった。 何気なくお錦は庭を見た。往来と境の黒板塀にかなり....
「活人形」より 著者:泉鏡花
杉蔭暗く、花無き草ども生茂りて踏むべき路も分難し、崩れたる築山あり。水の洞れたる
泉水あり。倒れかけたる祠には狐や宿を藉りぬらん、耳許近き木の枝にのりすれのりすれ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
が伸び縮みするのが、いかにも美しい。あの濁った横堀川が電燈の光で見ると竜宮にある
泉水のように見える。 菊子はその美に引付けられて、島村の泣いているのを忘れたく....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
した。私は家の中の案内はよく知りぬいているので、こんもりとした植込みを通りぬけ、
泉水をまわって智恵子の居間の方へ行きました。 幸いそこの一つの窓のブラインドの....