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「泉石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泉石の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:菊池寛
ばろしのように、胸の中に浮んでくる。それから、京極の宿所の釣殿や、鹿ヶ谷の山荘の泉石のたたずまいなどが、髣髴として思い出される。都会生活に対するあこがれが心を爛....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
大正十年十二月、渋柿) * 宿屋や料理屋などの広告に、その庭園や泉石の風景をペンキ絵で描いた建て札のようなものが、よく田舎の道ばたなどに立ててあ....
白くれない」より 著者:夢野久作
本堂の扁額には霊鷲山、舎利蔵寺と大師様の達筆にて草書したり。方丈の方へ廻り行くに泉石の按配、尋常ならず。総|檜の木口|数寄を凝らし、犬黄楊の籬の裡、自然石の手水....
厨房日記」より 著者:横光利一
の方に向いて坐り、終日そこから動かなかった。驟雨がときどき岩庭に降り込んだ。彼は泉石の間から端正な真鯉の躍り上るのを眼にしながら何をするでもなかった。このような....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、自分の描く山水の画幅には、どんなことがあっても、人物を描き添えないというほどな泉石好きだった。 主人は夜が更けて、客が咳き込むのを聞いた。 「きっとそこらに....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の隙間からはお庭もよく見えましたが、それが又手数の込んだ大そう立派な庭園で、樹草泉石のえも言われぬ配合は、とても筆紙につくせませぬ。京の銀閣寺、金閣寺の庭園も数....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
》、蟠松《ばんしょう》の晴雪《せいせつ》……育徳園《いくとくえん》八景といって、泉石林木《せんせきりんぼく》の布置《ふち》、幽邃《ゆうすい》をきわめる名園がある....
蒼白い月」より 著者:徳田秋声
みてはどうや」義姉はこの間もそんなことを言った。 私はそのおきぬさんの家の庭の泉石を隔てたお亭のなかに暮らしていたのであった。私は何だかその土地が懐かしくなっ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
町人の数寄をこらしたもの、土蔵一側の隔てだが、店先の暑さや騒ぎは別天地のようだ。泉石も、樹々も打水に濡れ、微かな水のせせらぎが耳を洗う。 数寄屋の一間に、毛氈....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ずいぶん戦争中に荒らされてもいたらしいが、わずかなまに、修理やら増築もして、庭の泉石には、加茂の水まで引き入れてあるほどだった。そのうえ近くには、馬場、弓の的場....