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泊り
「泊り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泊りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
中から何か気味の悪いものがついて来るように感じてならなかった。
四
お芳が
泊りこむようになってから、一家の空気は目に見えて険悪になるばかりだった。それはま....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
出来ません。が、四条河原の蓆張《むしろば》りの小屋ならば、毎晩きっとあの沙門が寝
泊りする所ですから、随分こちらの思案次第で、二度とあの沙門が洛中《らくちゅう》へ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
しかもこの若い御新造は、時々女権論者と一しょに、水神《すいじん》あたりへ男連れで
泊りこむらしいと云うじゃありませんか。私はこれを聞いた時には、陽気なるべき献酬《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
が、水と泥との交《まじ》る所を、荒涼と絡《かが》っているようになった。彼は今夜の
泊りを考えながら、前よりはやや注意深く、両岸に眼を配《くば》って行った。松は水の....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
か何かへ通っていた。が、土曜から日曜へかけては必ず僕の母の家へ――本所の芥川家へ
泊りに行った。「初ちゃん」はこう云う外出の時にはまだ明治二十年代でも今めかしい洋....
「親子」より 著者:有島武郎
でも事務なのだから明らかにしておかなければ私の気が済まんのです。時刻も遅いからお
泊りなさい今夜は」 「ありがとうございますが帰らせていただきます」 「そうですか....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
口で断らりょう、と亭主はその段含ませたそうな気の可い顔色。 「御串戯もんですぜ、
泊りは木賃と極っていまさ。茣蓙と笠と草鞋が留守居。壁の破れた処から、鼠が首を長く....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
してみると、お互の人相が思われます。おかみさん一人きりなんでしょうかしら。」 「
泊りましょうか。」 「御串戯を。」 クイッ、キュウ、クック――と……うら悲げに....
「橋」より 著者:池谷信三郎
廊下には、開けられた無数の部屋の中から、けたたましい電鈴の音。続いてちょうど
泊り合せていた露西亜の歌劇団の女優連が、寝間着姿のしどけないなりで、青い瞳に憂鬱....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
でなさりましても、佳い宿はござりません。後方の古市でござりませんと、旦那様方がお
泊りになりまする旅籠はござりませんが、何にいたしました処で、もし、ここのことでご....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
心の中でそう感じたことでございました。 それはさて置き、命はその際は二晩ほどお
泊りになって、そのままお帰りになられましたが、やがて帝のお裁可を仰ぎて再び安芸の....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
をかけながら、無造作に彼にこう云った。 「われはもう帰んな。おれたちは今日は向う
泊りだから」 「あんまり帰りが遅くなるとわれ」 良平は一瞬間|呆気にとられた。....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
造の外だけを飾りに煉瓦に積みしなれば、暗くして湿りたり。この活版所に入りてここに
泊り朝より夕まで業に就き、夕よりまた夜業とて活字を取扱う。随分と苦しけれど間々に....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
南雄教授これが教授側の指導者であったので足尾の坑夫が出て来て、これ等の教授宅には
泊り込みで護衛する。また文化同盟の事務所には、学生が合宿して用意を整えて対峙する....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
折、宿は光明寺で我々は本堂に起居していた。十六羅漢の後に五、六歳の少女が独りで寝
泊りしていたが、この少女なかなか利発もので生徒を驚かしていた。ある夜の事豪傑連中....